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高気密・高断熱住宅の暖房活用のポイント

高気密・高断熱の性能を
最大限に活かす暖房器具

暖房は冬の暮らしに欠かせないものですよね。ですが電気代が高騰してきた今、光熱費はなるべく抑えたいものです。気密性と断熱性に優れた高気密・高断熱住宅なら、暖房の使用頻度を減らし、光熱費を抑えることができます。しかし、高気密・高断熱住宅は一般住宅とは異なる仕様なので、適切な暖房選びを行うことが大切です。どのような暖房器具を使用すれば良いのか、一緒に考えていきましょう。

高気密・高断熱住宅とは
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高気密・高断熱住宅とはどういったものなのでしょうか。まず「高気密」とは、家のすき間が極端に少なく、外部との気流がほとんどない状態を指します。一方で「高断熱」は家の壁や屋根に断熱性能が高い断熱材を使用し、外気の影響を最小限に抑える設計のことです。これらの特性によって、外からの空気が家の中に入りづらく、家の中の暖かさが外に逃げることが少なくなります。結果として、エネルギーの効率が非常に良くなり、暖房費の節約につながります。わかりやすく言えば、高気密・高断熱住宅は暖房効率がとても高く、使うエネルギーをムダにしないので、経済的に優れた選択と言えるでしょう。
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参考記事:断熱性能とは?目安になる等級や新設された等級7についても解説
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高気密・高断熱住宅の意外な注意点
しかし、そんな多くのメリットがある高気密・高断熱住宅ですが、意外な注意点があります。それは、室内の湿度管理です。高気密性が優れているからこそ室内の湿度が一定に保ちやすく、一見良いことのように思えるのですが、この特性によって換気が不足すると室内での結露やカビのリスクが高まります。また、燃焼によって水蒸気を発生させる、ストーブなどの暖房器具を頻繁に使用することでカビの発生に繋がったり、ガスストーブなどのガスを使用する暖房器具でガス臭さが部屋の中に充満し、健康に悪影響を及ぼしてしまう危険性もあります。
高気密・高断熱住宅で避けたい暖房器具とその理由
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では、高気密・高断熱住宅では具体的にどんな暖房器具を避けるべきなのでしょうか。
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石油・ガスなどを使用したヒーター

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石油・ガスなどを使用したヒーターは注意が必要です。すぐに暖かくなる石油ヒーターやガスヒーターは冬場によく使用される暖房器具ですが、これらは燃焼によって水蒸気を発生させるため、すでに湿度が高い室内では結露を引き起こしやすいというデメリットがあります。また、これらの暖房器具は燃焼ガスを排出することから、換気が不十分な場合には酸欠や一酸化炭素中毒など命に関わる事態に陥る場合があります。
さらに、一般住宅においても長時間閉めきってのヒーターの使用は危険ですが、空気の出入りが少ない高気密・高断熱住宅ではより危険になってしまうので、高気密・高断熱住宅を検討している場合は「石油ヒーターやガスヒーターは使用をする際に注意が必要である」ということをしっかりと覚えておきましょう。

効果的な暖房器具
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高気密・高断熱住宅に暮らす方にとって、どの暖房器具を使用すれば快適に過ごせるでしょうか。高気密・高断熱の性能を最大限に活かす暖房器具にはいくつか種類がありますが、それぞれに特有のメリットとデメリットがあります。以下に、各暖房器具の特徴を詳しく解説します。
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温度を自動調節できるエアコン
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最近のエアコンは、高度な温度管理機能を備えており、エネルギー効率が非常に高いです。特に、高気密・高断熱住宅での使用においては、自動で電源をオフにする機能や、部屋の温度を一定に保つ機能が大いに役立ちます。このようなエアコンは、暖房だけでなく冷房も効率的に行えるため、一年中快適な室内環境を提供できます。ただし、エアコンは電気を使用するため電気代がかかること、またフィルターの掃除や定期的なメンテナンスが必要な点は留意すべきです。
また、エアコンには、壁に設置するタイプだけではなく床下に設置するタイプの「床下エアコン」もあります。花みずき工房では、その床下エアコンの効果について調査するために、実際に施工したお家の特に温度の変化が激しい各場所で温度を計測してみました。こちらのコラムで、具体的な数値やその家でかかる光熱費についても詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
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参考記事:床下エアコンは本当に暖かいのか?
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インテリアとしても人気の薪ストーブ
参考記事:薪ストーブのある暮らし
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暖房器具としても、インテリアとしても魅力が詰まった薪ストーブ。薪の確保やお手入れなどの手間が掛かるため敬遠されてしまう事もありますが、赤外線による輻射熱で室内の空気はもちろん壁や天井の内側まで温めてくれる優れた暖房性能を誇っています。また、ガスや石油・電気に頼らず自然由来の薪を燃料にすることで綺麗な空気を保ち、環境や身体に優しいことも薪ストーブの大きな魅力です。
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暖房効率が良く空気を汚さない温水式床暖房
参考:大建工業
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温水式床暖房は、床全体を均一に暖めるので、部屋全体が温まります。熱源から床材に温水が流れるシステムにより、燃料を直接燃やさずに暖房するため、安全性も高いです。また、空気を汚さず、尚且つ乾燥も防ぐため、冬季の乾燥が気になる方にも適しています。さらに、温水式床暖房は静かな暖房方法なので、音に敏感な方や小さなお子様がいる家庭にも最適です。ただし、温水式床暖房の設置には初期費用がかかります。しかし、その効率の良さから光熱費の削減に繋がるため、長期的に見れば賢い選択であると言えるでしょう。

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足元から暖め空気を汚さないFF式ファンヒーター
参考:株式会社コロナFF式温風タイプ
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FF式ファンヒーターもまた、高気密・高断熱住宅に適した暖房器具の一つです。このヒーターは燃焼室が完全に密閉されており、燃焼効率が非常に高いです。これにより、排気ガスを屋外に排出し、室内の空気を汚さないというメリットがあります。また、FF式ファンヒーターは設置が比較的簡単であり、運転音も静かなので生活にストレスを感じにくいです。ただし、FF式ファンヒーターは燃料(通常はガス)が必要なので、燃料費用がかかる点は考慮する必要があります。

高気密・高断熱を最大限に活かす暖房の使い方
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選んだ暖房器具を効率的に活用するには、その使い方も重要です。効率的な暖房・光熱費の削減のためには、以下のようなポイントを抑えておくといいでしょう。
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1.適切な設定温度
無駄なエネルギーを使わないように、設定温度は適切な範囲で管理することが望ましいです。一般的には、人が感じる快適な温度は20~28度程度です。
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2.時間帯による運転

特に、電気暖房の場合、電力会社によっては時間帯によって電気料金が異なる場合があります。ピーク時を避けて暖房を使用することで、コストを抑制することが可能です。

高気密・高断熱住宅で暖房を使用する際に、
注意したいポイント
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高気密・高断熱住宅は、エネルギー効率が良いと多くのメリットがありますが、それだけではなく、注意すべき点もあります。
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室内空気の質
高気密・高断熱住宅は、昔の住まいと比べて室内の空気が外に出にくく、同時に外気が入りにくいです。そのため、料理の匂いやペットの臭いなどが長時間残ってしまうことがあります。これを防ぐには、事前に計画換気の設計を行っておくことが大切です。
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熱源の選定

すでに触れたように、高気密・高断熱住宅には特定の暖房器具が適しています。不適切な熱源を選ぶと、暖房効率が低下する可能性があります。選択肢としては、エアコン、薪ストーブ、温水式床暖房、FF式ファンヒーターなどがあり、それぞれの特性に応じて選びましょう。暖房器具の選び方も大事ですが、使い方や住環境に応じた注意点もしっかりと考慮することで、より快適で効率的な暖房を実現することができます。

まとめ

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高気密・高断熱住宅にあった暖房でさらに快適に

今回は、高気密・高断熱住宅に適した暖房器具とその使い方について紹介させていただきました。温水式床暖房、FF式ファンヒーター、エアコンなど、それぞれにメリットと適用するシーンがあります。しかし、それだけではなく、暖房器具の効率的な使い方や、住環境に合った注意点も大切にする必要があります。これらの知識と工夫によって、住まいの快適性と効率性を向上させることが期待できます。
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体感して確かめてみてください

知識は大切ですが、それだけでは限界があります。本当に快適な住まいとは何か、自分自身で体感することが何よりも重要です。私たち「花みずき工房」では、高気密・高断熱住宅の見学会イベントをご用意しています。特に完成見学会では、実際の暖かさを体感することができます。ぜひ自分の肌で感じてみて、これから暮らす我が家をイメージしてみてください。加えて、現場での質問や疑問点もすぐに専門家に聞くことができるので、より深い理解と安心感を得られます。まさに「見る」から「体感する」へとステップアップする絶好の機会です。
どうぞ一度、お越しいただき、その目で確かめ、その肌で感じてみてください。お問い合わせをお待ちしております。
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Yukina Yamaguchi

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