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家を建てるための費用目安と、費用を抑えるためのヒント

ご予算内で無理なく
家を建てるためのお金の知識

家を建てるための費用目安を計算するハウジングアドバイザー

人生で一番高い買い物と言える家づくり。それ故に最も気がかりになってくるのが費用面ではないでしょうか。しかし多くの方にとって初めての経験となるため、必要な費用を具体的にイメージすることは簡単なことではありません。特に注文住宅の場合は、家の大きさや仕様によって金額が大きく変わってくるため、相場を把握することも難しく、誰に相談したら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、注文住宅を建てる際にどの様な費用がどのくらい掛かるのか、費用を抑えるためのヒントを交えながらご紹介させていただきます。

家を建てるために必要な総費用とは

家を建てる際に必ず必要になってくるのが、家を建てるための「土地の費用」と「建物本体の費用」ということはお分かり頂けると思いますが、実は不動産会社や住宅会社が広告などに掲載している土地や建物の価格だけでこれらを購入できる訳ではございません。土地を購入する場合には、土地の価格に加えて登記費用や仲介手数料などが必要となりますし、建物に関しても住宅会社が提示する建物本体価格以外に、造成工事や屋外給排水工事などの付帯工事費用、更には設計・管理費用や保険料といった諸費用が掛かってきます。
そしてこれらを含む、家を建てるために必要な全ての費用を「総費用」と言い、土地をお持ちの方の場合、建物本体価格が総費用に占める割合は7割程度と言われています。つまり、建物本体価格が2500万円の場合の総費用は3571万円程にものぼるということになります。後になって予算オーバーになってしまう事が無いように、総額を事前に把握しておくことはとても重要です。

集合住宅のイメージ画像
エリア別の土地、建築費用の相場

前述の土地や建物の価格は、実は全国のエリアによっても大きく異なってきます。ここからは国内の主要都市での土地や建物の平均価格をご紹介いたします。
まずはエリア別の土地の平均価格を、令和6年度の国土交通省の地価公示データを基にご紹介させていただきます。

【 エリア別土地の平均価格 】
エリア 平均価格(㎡) 平均価格(坪)
東京都 430,600円 1,420,980円
神奈川県 197,100円 650,430円
愛知県 116,600円 384,780円
静岡県 64,300円 212,190円
大阪府 159,900円 527,670円
福岡県 71,200円 234,960円

※ 出典:国土交通省 令和6年地価公示

東京都や神奈川県などの大都市圏では、人口密度が高い上に土地の需要も非常に高いため、地価が高騰する傾向にあります。また、大企業の本社や商業施設が集中する地域でも、土地の価格は高くなります。加えて交通インフラも土地の価格に大きな影響を与え、新幹線や主要な鉄道沿線、高速道路などへのアクセスの良いエリアも地価が高騰する傾向にあります。次にエリア別の新築戸建て住宅の平均価格を、住宅金融支援機構が保有する【フラット35】借入申込書データを基にご紹介させていただきます。

【エリア別新築住宅の平均価格】
エリア 平均価格  
東京都  5,280 万円
神奈川県 4,650 万円
愛知県 3,830 万円
静岡県  3,420 万円
大阪府 4,406 万円
福岡県 3,847 万円

※ 出典:住宅金融支援機構 令和5年フラット35利用者調査


土地価格と同様に、東京都や神奈川県などの大都市圏では人件費や資材費が高騰する傾向にあり、建物の平均価格も比較的高くなっています。また、都市部では建築規制も厳しく、限られた土地に対して高度な設計技術が求められていることも、価格引き上げの要因となっています。
私たちが暮らす静岡県は、東海道沿線にあり利便性の高いエリアでありながら、比較的土地や建物の平均価格が安価な、注文住宅を建てられる方にはお得なエリアと言えるのでは無いでしょうか。

注文住宅の費用内訳と予算の目安の資料を確認する人
注文住宅の総費用内訳

先ほどご紹介させて頂いた建物の総費用。一般的には建物本体価格に加えて、付帯工事費用と諸費用が掛かってきます。住宅会社によって表記の仕方や内訳は異なってきますが、下記に「建物本体価格」「付帯工事費」「諸費用」の3つに関して、それぞれの代表的な項目をご紹介いたします。


1. 建物本体工事費用(建物本体価格)
家の基本的な建物部分を作るための費用です。住宅建築における中心的なコストであり、一般的には総費用の約7割を占めます。代表的な項目として以下の項目などがございます。

  • ・基礎工事費用
  • ・木工事費用
  • ・外装工事費用
  • ・内装工事費用
  • ・屋根・板金工事費用
  • ・住宅設備工事費用


2.付帯工事費用
建物本体工事には含まれない、建物本体に付帯する工事費用で、別途工事費とも呼ばれます。土地の状況などによりますが、総費用の約2割を占めることが一般的で、代表的な項目として以下の項目などがございます。

  • ・屋外給排水工事費用
  • ・ガス設備工事費用
  • ・造成工事費用
  • ・外構工事費用
  • ・カーテン工事費用
  • ・エアコン工事費用


3.諸経費

工事以外で発生する建築関連の手続きや契約、税金、保険などにかかる費用です。全体費用の約10%を占めることが一般的で代表的な項目として以下が含まれます。

  • ・建築確認申請費用
  • ・法定 設計・管理費用
  • ・登記費用
  • ・火災保険料
  • ・抵当権設定費用
  • ・地鎮祭費用

これらの費用は、ほとんど全ての注文住宅を建てる際に必要になってくる項目ですが、具体的な金額は住宅の規模や建てる地域、工法や土地の状況などによっても異なります。建物本体価格だけでなく、家を建てる実際の場所での総費用を細かく確認しておくことが、予算オーバーを防ぐ重要なポイントとなります。
住宅の模型
予算2,000万円台の家のイメージ

実際、予算2,000万円台の家にはどのくらいの建築総費用がかかってくるのでしょうか?このケーススタディでは、建物本体価格、付帯工事費用、諸費用などの具体的な費用イメージを掴むために、2階建て、平屋のモデルケースを例に、それぞれの建築総予算をご紹介いたします。

モデルケースA:32坪の2階建て
1階面積: 61.55㎡ | 2階面積:45.54㎡ | 延床面積:107.09㎡

建物本体価格:2,680万円(税別)
建物本体工事:2,948万円(税込)
付帯工事費用:835万円
諸費用:395万円
建築総費用:4,178万円


2000万円台平屋住宅費用イメージ
モデルケースB:25坪の平屋
1階面積: 83.90㎡ | 延床面積:83.90㎡

建物本体価格:2,300万円(税別)
建物本体工事:2,530万円(税込)
付帯工事費用:748万円
諸費用:375万円
建築総費用:3,653万円
予算3,000万円台の家のイメージ

次に予算3,000万円台の家にはどのくらいの建築総費用がかかってくるのでしょうか?同じく、建物本体価格、付帯工事費用、諸費用などの具体的な費用イメージを掴むために、2階建て、2世帯住宅のモデルケースを例に、それぞれの建築総予算をご紹介いたします。

3000万円台戸建て住宅費用イメージ

モデルケースA:35坪の2階建て
1階面積: 87.77㎡ | 2階面積:28.98㎡ | 延床面積:116.75㎡

建物本体価格:3,280万円(税別)
建物本体工事:3,608万円(税込)
付帯工事費用:895万円
諸費用:465万円
建築総費用:4,968万円


2世帯住宅費用イメージ
モデルケースB:40坪の2世帯住宅
1階面積: 90.26㎡ | 2階面積:43.06㎡ | 延床面積:133.32㎡

建物本体価格:3,400万円(税別)
建物本体工事:3,740万円(税込)
付帯工事費用:980万円
諸費用:490万円
建築総費用:5,210万円
家づくりにかかる費用を表すイメージ画像
家を建てる際の費用を抑える方法

ゼロから自由に設計可能な注文住宅では、つい自分たちのこだわりを最大限に反映させたくなり、設備や仕様を盛り込みすぎて結果的に予算オーバーになってしまうことも多いかと思います。そこで、注文住宅で予算オーバーになった際の、費用の見直し方や削減できるポイントをいくつかご紹介いたします。

家づくりの条件に優先順位をつける
注文住宅は何でも対応できてしまう分、全てにこだわってしまうと建築費用は当然高くなってしまいます。自分たちにとって重要な条件と妥協できる条件を明確にして、費用をかける部分と抑える部分を決めておくことで、全体の費用を抑えることができます。重要な部分には多少多めの費用を掛けたとしても、それ以外の部分は仕様を落とすなどして、費用を抑えましょう。

設計・間取りはシンプルに
複雑な設計や特殊な間取りは建築費用を高くする要因となります。家の形状が出っ張たりへこんだりしていると、外壁面積も多くなり施工費や材料費が高くなりますし、必要以上に広い居室や廊下の多い間取り設計も住宅のコストを上げてしまう要因となるため、なるべくシンプルで合理的な間取り設計は費用を抑えるポイントとなってきます。

施主支給を活用する
基本的に住宅会社が全ての部材や工事の手配を請け負いますが、一部の部材や工事を自分たちで直接手配することで中間マージンを節約して費用を抑えることができます。例えば、エアコンを家電量販店などで直接購入・手配することで、30坪の3LDKの家で20万円程コストを抑えることができます。またカーテンに関しても、カーテンボックスや下地工事は住宅会社に依頼し、カーテン本体は自分たちで手配、取り付けを行うことで、費用を抑えることが可能です。
ただしデメリットとして、住宅会社が関与しないことで保証やアフターサービスが受けられなかったり、外部業者にエアコン室外機や配管の位置を正確に伝えられなかったことで、施工時に大きな問題が生じるなどのリスクがございます。

国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
住宅を購入する際、国や自治体によるさまざまな補助金・助成金制度を利用できる可能性があり、最大限に活用することでお得に注文住宅を建てることができます。ただし、補助金・助成金の内容は年度ごとに変更されることが多いため、最新の情報を確認することが重要です。国土交通省や市区町村のホームページなどで、現在利用できる補助金制度をチェックしましょう。以下は2024年度時点で公表されている国と浜松市の補助金・助成金の例になります。

【 国の補助金・助成金の例 】
・サステナブル建築物等先導事業
・ゼロ・エネルギー・ハウス補助金
・子育てエコホーム支援事業
・給湯省エネ2024事業
・LCCM住宅整備推進事業

【 浜松市の補助金・助成金の例 】
・天竜材の家百年住居る助成事業
・浜松市まちなか定住促進補助金
・ハマライフ住宅取得費等助成事業
・浜松市スマートハウス・次世代自動車補助金
・認定長期優良住宅に対する固定資産税の減額
・住宅ローン利子補給制度
住宅ローンの手続きをしているイメージ画像
住宅ローンを通じて費用を抑えるヒント

年々高額になる住宅購入費用、当然現金で購入できる方ばかりではございません。多くの方が住宅ローンを活用して家づくりを行うことになりますが、住宅ローンには金利や金融機関での手数料、各種保険料などの諸費用がかかってきます。次に住宅ローンを通じて費用を抑えるためのヒントをご紹介いたします。

ローン保証料の節約
住宅ローンの保証人を保証会社に委託するための「ローン保証料」は、諸費用の中でも大きな割合を占めます。この保証料は金融機関やローン商品によって大きく異なるため、複数のローン会社や商品の条件を比較することが重要です。ただし、保証料が低い商品でも金利が高ければ最終的な返済額が増えてしまうので、保証料だけでなく総返済額をしっかりと算出し、各社の条件を総合的に判断しましょう。

火災保険料を抑える
住宅ローンを契約する際、多くの金融機関が火災保険への加入を求めます。この保険料を抑えるためには、金融機関がすすめる火災保険をそのまま契約せず、他の保険会社とも比較しご自身の条件にあった火災保険を選択することがポイントです。また、補償内容を見直し、水害リスクがなければ水害保障を外すなど不要な補償を排除することで保険料を節約することができます。また、すでに加入中の保険と補償内容が重複している場合もありますので、ご自身の加入している保険と補償内容をしっかりと確認することも大切です。

分割融資を活用する
住宅ローンは家が完成して引き渡す際に実行されますが、引渡し前にも着工金や中間金などの支払いが必要となるため、一般的には「つなぎ融資」や「分割融資」を利用して引き渡し前の費用を工面する必要があります。つなぎ融資は無担保で利用できる分、金利が2〜3%と高く設定されますが、分割融資は住宅ローンと同じ低い金利で利用する事ができるため、返済費用を抑えられる可能性が高いです。ただし、毎回抵当権を設定し、その都度司法書士手数料や登録免許税が発生するため、事前にどちらの融資が自分に適しているかを確認することが大切です。

諸費用を住宅ローンに含める
住宅購入のための諸費用は、一般的に住宅ローンに含めることはできないため、自己資金を充当したり、別のローンを利用して用意する必要があります。しかし、項目によっては住宅ローンに組み込むことのできる諸費用もございます。諸費用を住宅ローンに含めることで、初期費用の負担を軽減できたり、金利の高い他のローンを利用することなく、住宅ローン内で無理なく返済していくことが可能となります。
また、諸費用部分も住宅ローン控除の対象となるため、住宅ローンの恩恵を最大限に受けながら、総合的な支払いを抑えられる可能性がございます。
完成された住宅

今回は、注文住宅を建てる際にどのような費用がどれくらいかかるのか、費用を抑えるためのヒントも交えながらご紹介いたしました。家を建てる際には、建物本体の費用だけでなく、付帯工事費用や諸費用もかかるため、最終的に予想以上の費用になることもございます。あらかじめ家づくりに必要な全ての費用を把握しておくことで、予算オーバーを防ぎ、円滑に家づくりを進めることができます。さらに、費用を抑えるためには、補助金や助成金の活用、ローンの組み方を工夫することも重要です。
花みずき工房では、経験豊かなローンアドバイザーが在籍しており、資金面で不安をお持ちの方も安心してご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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ハウジングアドバイザー

Takako Ito

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