花みずき工房では、お客様の長期間にわたる安全で快適な暮らしを実現するために、高い耐久性を持つ家づくりを追求しています。その中でも住宅を支える「基礎」は、建物の耐久性と耐震性を維持するために極めて重要な要素です。戸建て住宅は通常20~30トンもの重量がかかるため基礎の堅牢さが不可欠となり、しっかりとした基礎がないと建物が傾いてしまう可能性もあります。今回は、住宅を支える基礎の役割とその重要性について詳しく説明いたします。
建物を支える高耐久な「基礎」
日本の四季に合わせて
施工する住宅基礎
住宅における基礎とは、地盤(地面)と建物の間にある鉄筋コンクリートで作られる構造のことで、建物の土台となる重要な部分です。建物の重さなどの垂直に働く力と、地震などの水平に働く力の両方を、建物から地面に均等に分散し、建物の沈下や傾きを防ぐための土台として機能します。さらに、基礎は地下部分にも位置するため、湿気や雨の水から建物を保護する役割もあります。
近年日本の住宅で多く採用されている基礎は、建物全体を点と線で支える「布基礎」と、全体的に面で支える「ベタ基礎」の2種類になります。それぞれにメリットとデメリットがございますが、主な特徴は下記のとおりです。
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花みずき工房でもこのベタ基礎を採用しています。使用する鉄筋は、主筋・あばら筋共に13mmの異型鉄筋で、基礎の厚みは立ち上りと底板共に150mmにすることで、より頑丈な住宅の基礎づくりを行っています。
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基礎に使われているコンクリートは、セメント・砂・砂利に混和剤と呼ばれる薬品を混合し、水を加えて練り混ぜて固めます。最初は柔らかい状態である「生コンクリート」ですが、水とセメントが反応することによって硬く固まり、この反応を「水和反応」と呼びます。
そしてコンクリート基礎における水とセメントの割合は、長期的な強度を保つために非常に重要になります。特に住宅の基礎コンクリートは屋外で固められるため、季節ごとの湿度や温度の変化を考慮して、水とセメントの割合を調整する必要があります。この調整を行うために「呼び強度」が存在します。
「呼び強度」とは、設計基準強度(基礎の基準となる強度)と構造体強度(季節ごとに加える強度補正)を合算した強度をいい、季節ごとの呼び強度は、以下の図のように設定されています。
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このように季節に応じて異なる呼び強度を設定することで、コンクリート基礎の硬化速度を均一にし、一貫した強度を実現しています。
基礎の換気について
花みずき工房では、コンクリート基礎と土台の接合部に硬い樹脂製のパッキンを設置する「Joto キソパッキング工法」と呼ばれる床下全周換気工法を採用しています。この工法は、湿気によって発生するシロアリ被害を未然に防ぐために、通気パッキンを含む3つの製品を使用して実現します。基礎内を換気するための「通気パッキン」に加えて、玄関から室内への湿気の流入、結露を防止する「気密パッキン」や、害虫の侵入を防ぎながら壁体内への通気をサポートする「防鼠付水切り」を外周に用いることで、全周換気で床下全域を乾燥させています。そのため基礎内に湿気がこもらず、シロアリを寄せ付けない環境を保つことができます。
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さらに、この工法を標準採用することで、竣工後10年以内に蟻害が発生した場合、累計で1,000万円を限度に賠償責任補償額の給付が保証されます。
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基礎の外周に関しては、コンクリートの表面を露出させずに基礎を保護する「ハウスシューズ」という高耐候性、低汚染性、クラック追従性に優れた住宅基礎の保護工法を採用しています。
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この工法では、弾性アンダーフィラーと弾性シリコントップコートを組み合わせた保護剤をコンクリート表面に塗布し、地面からの水分吸収を防ぎ、コンクリートのクラックや白華の発生を防止しながら基礎の美観を保つことにも配慮しています。
今回は住宅を支える基礎についてご説明いたしました。基礎は耐久力のある家づくりに欠かせない重要な部分です。季節に応じたコンクリートの強度調整や、シロアリや湿気に対する換気対策、コンクリート表面の保護などを行うことで、住宅基礎の耐久性はより高まります。
花みずき工房では、定期的に「構造見学会」を開催しています。実際に住宅の基礎を見学することができるので、詳細について知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
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