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森を守る「FSC認証材」の天竜ヒノキ

管理された天竜ヒノキでつくる
安心安全の家づくり

「FSC認証」という言葉を聞いたことはございますか?
森林は家を建てる木材を供給してくれるほか、紙の原材料や豊かな水、二酸化炭素の吸収や土砂災害の防止など、私たちの生活にとって大切な役割を担っています。しかしながら森林火災の増加や森林の転用・開発、違法な伐採などによって、近年世界中の森林面積は2.2秒毎にサッカー場1面分が失われており、環境・社会・経済に深刻な影響を与えています。そんな社会問題を解決すべく設立されたのがFSC認証です。FSC認証は適切に管理された森林からの木材を区別して購入することができる仕組みで、その製品を消費者が購入することで森林資源の保全に繫がります。そこで今回は、FSC認証についてご説明します。

FSC認証とは?

 

FSCとはForest Stewardship Councilの略で、26カ国の環境NGO・林業省・林産物取引企業・先住民団体などが中心となって、1994年に設立された国際的な森林管理協議会です。主な活動として森林破壊による森林資源の減少を防ぐために、持続可能な森林管理と木材製品の生産を推進する認証を行っています。FSCから認定を受けた第三者機関が、全世界統一の基準に則り森林や流通・加工業者を定期的に審査・認証することで、違法伐採や保護する価値の高い森林の伐採を防ぐことのできる仕組みです。

FSC認証の仕組み

 

FSC認証を受けた木材や製品を確実に消費者の手元に届けるには、植林から流通に関わる全ての事業者・組織がFSC認証を取得していることが必要になります。
そこでFSCには、森林が責任を持って管理されているのかを審査・認証する「FM認証」と、認証林から収穫された認証材が消費者に届くまでの加工・流通過程を認証する「CoC認証」の2種類の認証が用意されています。
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「FM認証」

FM認証(Forest Management 認証)とは、森林の管理者・所有者に対し、FSCの理念に沿った森林管理をしているか、FSCから認定された第三者機関により審査を受け認証する制度です。
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「CoC認証」
CoC認証(Chain of Custody 認証)は製品が完成するまでのすべての工程で不適格な原材料が混入していないか、FSCから認定された第三者機関により審査を受け認証する制度です。

 

 

 

FSC認証では、認証森林から消費者の手元に届くまでのサプライチェーン上の事業者が認証を取得します。認証を受けた事業者が連鎖することで、最終的に製品にFSCのロゴマークが付きます。ロゴマークはトレーサビリティーの証であり、信頼性の高さを表しています。

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木材トレサビリティのコラムはこちら >>

天竜木材とFSC認証

 

日本三大人工美林のひとつでもある浜松市の天竜区の森林や、北区引佐地域の森林では、2023年6月時点で49,441haがFSC認証林として認められ、2021年11月には、市町村別取得面積で日本第1位になりました。現在、浜松市では70の事業体がCoC認証を取得しており、全国で最もFSCサプライチェーンが繫がっている地域のひとつとして成長しています。森林組合や国・県・市が連携してFSC森林認証を取得したことは全国初のことでした。花みずき工房が木材を仕入れている取引先もFSC認証を取得しています。

天竜木材を使用した安心な家づくり

 

花みずき工房では、こうした地元天竜の森林で育ち、FSC認証を受けた木材を使用した家づくりを行っています。特に柱や土台は住宅の構造の要となる大切な部材で、意図した強度や品質の担保された木材を使用しないと、住宅の耐震性や耐久性に不安が生まれてしまいます。木材は例え同じ樹種であっても、原産地や育成年数などによって強度が異なる品質の不安定な商品で、さらに原木を伐採して建物に使用されるまでの間に様々な生産経路を通るため、不適格な木材が混入せずに確かな品質が担保されたFSC認証を受けた木材を選ぶことは、安心安全な家づくりを行う上でとても重要になります。
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無垢の芯持ちヒノキ柱のコラムはこちら >>

今回はFSC認証についてご説明いたしました。安心して暮らせる家づくりや永続的な森林の保護のために、FSC認証はとても重要な仕組みで、地元天竜にFSC認証林があることは、家づくりを行う私たちにとってとても恵まれた環境といえます。
花みずき工房で定期的に開催している「構造見学会」では、実際にFSC認証を受けた天竜木材を使った家づくりをご覧いただくことができます。詳細について知りたい方はお気軽にお問い合わせください。

 

ハウジングアドバイザー

Yuki Enaka

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