壁の強さと美観を叶える「壁下地」
長期に渡り美しい壁を叶える
「胴縁」を用いた壁下地処理
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在来工法の木造住宅では、長年壁(石膏ボード)の下地材として柱や間柱の上に横方向に張られる「胴縁」と呼ばれる15mm×45mmの木材が使われてきました。
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無垢の木材を使用した柱や間柱には、若干の反りや凹凸があるため、平滑な壁下地を作るために起伏を調整しながらこの胴縁が張られてきました。また胴縁には、柱の伸縮による壁割れを防いだり、石膏ボードのつなぎ目を補強するといった、壁の強度と美観を向上させる重要な役割がありました。
しかし近年、集成材などの登場により柱や間柱の精度が向上したことで、胴縁を使わずに直接石膏ボードを柱の上に張り、工数を削減し、工期を短縮する施工方法が増えてきました。
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前述のとおり柱や間柱に石膏ボードを直接張る会社が増えてきましたが、石膏ボード自体に十分な強度は無いため、壁の耐久性に不安が残る他、どんなに柱材の精度が上がっても、広い面積を占める家の壁全体の柱や間柱の並びを平らに仕上げる事は難しいため、柱だけで平滑な壁下地を作ることは困難とも言えます。
柱と間柱の上に横方向に張られる胴縁が無い場合、壁の横揺れに対する強度も低下するため、地震や台風で壁に圧力がかかった際に、石膏ボードが曲がったり浮いてしまう恐れがあります。また、経年変化で柱や間柱が伸縮した際にも同様の事が起こり得ます。
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また、石膏ボードを張った壁にはつなぎ目やビス頭などで溝や凹みが生まれるため、これをパテで埋めながら平滑な面を仕上げて行きますが、下地に起伏が多く石膏ボードが平滑に張られていない場合はパテ処理の手間が増え、パテで補修しきれない場合は石膏ボードを張り直すなどの手間も増えてしまいます。
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この様な問題を防ぐために、胴縁を用いた壁の下地処理はとても重要となります。横方向に300mmピッチで胴縁を施工することで、縦方向の柱や間柱と横方向の胴縁がグリッドを形成し、壁の強度や揺れに対する耐久性を高めます。また、柱や間柱に起伏があった場合でも胴縁の厚みを調整することで、石膏ボードを平滑に仕上げる事ができる他、柱や間柱が収縮した際も胴縁が緩衝材となり、石膏ボードへの悪影響を抑えることができるのです。
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花みずき工房でも、長年に渡り胴縁を用いた壁の下地処理を行っていますが、更なる壁の強さと美観を目指し、日常的に振動の伝わりやすいドアやサッシ周りの壁には補強の胴縁を追加で施工しています。
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また、石膏ボードの横方向のつなぎ目を無くすために、床から天井まで1枚で仕上げる長さのある大判の石膏ボードを採用したり、縦方向のつなぎ目には300mmピッチで張られている胴縁と胴縁の間に更に胴縁を追加し、石膏ボードの起伏を抑えつつ強度を高めるなどの工夫を行っています。
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また、万一胴縁を設置する間柱が手前に反り出している場合は、その分だけ胴縁を削ることで平滑な石膏ボードの下地を作り出しています。
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ここまで丁寧な施工を行う理由として、花みずき工房では塗り壁を採用している住宅が多いことが関係しています。柔らかいビニール素材の壁紙で壁を仕上げる場合には、石膏ボードに多少の狂いがあっても壁紙の収縮で吸収する事もできますが、塗り壁の場合はその狂いが壁のひび割れに直結してしまう事もあります。また美しい塗り壁の陰影が、下地の起伏によって歪んで見える事が無いように、壁の下地処理には万全を尽くしています。
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丁寧な壁の下地処理を行って来たことで、長期にわたり壁の強さと美観を維持することができています。実際に花みずき工房で建てられたお客様のお家や自社のモデルハウスでは、築数十年であっても塗り壁にひび割れが生じること無く、綺麗な状態を維持しています。
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階段周りの壁やドアや窓などの開口部の壁は、常に振動により脆くなりやすい箇所ですが、10年以上経った今でも壁にクラックが起きることもなく、美観を備えた平滑な塗り壁が保たれています。
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[ 築24年の花みずき工房の展示場 ]
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花みずき工房本社にあるモデルハウスは築24年という年月が経つものの、部屋中の壁や天井の塗り壁にクラックは見受けられません。何年経っても美しい住まいを実現するためには、目に見えない壁の裏側にも手間を掛けことで仕上がりが大きく変わってきます。
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今回は、胴縁を用いた壁の下地処理についてご説明しました。仕上がってしまえば見えなくなる壁の内側にも、住まいを強く美しくする為の隠れたこだわりが沢山詰まっています。
定期的に開催している「構造見学会」では、実際の壁下地の施工状態などをご覧いただけますので、詳しくお知りになりたい方は、花みずき工房までお気軽にご相談ください。