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耐震+制震で叶える長持ちする木造住宅

地震のダメージ蓄積を抑え、
耐久性を高める家づくり

地震大国日本において、家の寿命を延ばすためには耐震性能の確保は欠かせません。一度の大きな揺れだけでなく、余震や震源地周辺で頻発する比較的小さな地震に対する備えも重要です。繰り返しの地震によって家に蓄積されるダメージは徐々に耐震性能を弱め、家の寿命を縮めてしまう原因となります。そこで、最先端の住宅技術は耐震だけでなく「制震」にも着目しています。制震技術を取り入れることで、複数回の地震によるダメージの蓄積を抑え、家の耐久性を高めることが可能になります。このコラムでは、耐震と制震の組み合わせが家の長寿命化にどのように貢献し、日々の生活を安全かつ快適に保つかをご紹介します。

耐震と制震のちがい
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[ 耐震とは ]

耐震とは建物が地震の揺れに対して倒壊せず、損傷を最小限に抑えるような設計・施工を指します。具体的には、地震の力に耐えるために建物の構造体を強化し、地震のエネルギーを効果的に吸収・分散させることで、建物自体の安全性を高める技術です。耐震設計では建物が地震によって受ける力を予測し、その力に耐え得る強度を持つ構造を設計します。これには柱や梁、土台などの構造部材の強化、建物の重心と剛性のバランスの最適化などが含まれます。また、建物の基礎と地盤との関係も重要で、地盤の強化や基礎の適切な設計によって建物の耐震性を高めます。さらに耐震には国が定めた等級制度があり、耐震等級1は建物を建てる上での最低基準となっています。

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[ 制震とは ]
「耐震設計」が建物の強度を高めるのに対し、「制震技術」は建物自体が地震のエネルギーを吸収し、揺れを抑制することに重点を置いています。制震システムは地震の揺れを感知した際に、建物の動きを積極的にコントロールし、揺れの影響を最小限に抑えるための技術です。この技術により、建物内の家具の転倒や壁のひび割れを軽減することが可能になります。また、建物の接続金具などを固定しているビスの緩みも抑えられるため、地震による二次的な被害をさらに減少させることができます。特に高層ビルや大規模な施設では、制震技術の導入が一般的となっており、近年住宅分野においてもその重要性が高まっています。次の段落では、制震技術の進化と種類について、さらに詳しくご紹介します。
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耐震、制震の違いを説明している関連コラム
制震技術の進化と種類
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制震技術はいくつかの形に進化し、今日ではさまざまな住宅に応用されています。もともと制震システムは、主に高層ビルなどの大型建築物のために開発されていましたが、震度6強の揺れを複数回記録した2016年の熊本の震災以降、一般住宅でも採用されるようになりました。現在一般住宅で採用されている代表的な制震装置には、ゴムや金属、油圧を利用したものなどがあります。
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[ ゴム式 ]

製品例:住友理工株式会社 TRCダンパー
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ゴム式制震装置のメリットは、その柔軟性にあります。特殊なゴムは、地震の揺れを効果的に吸収し、建物へのダメージを軽減します。また、メンテナンスが比較的容易で、コスト効率も良い点が挙げられます。デメリットとしては、大きな地震に対しては限界があることや、時間の経過と共にゴムが劣化する可能性があります。
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[ 金属式 ]


製品例:Ideal Brain株式会社 ミューダム
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金属式の場合は、建物の骨組みに金属製のダンパーを取り付け、揺れを制御します。この装置のメリットは、高い耐久性と安定した性能です。しかし、デメリットとしてはコストが高いことや、設置にあたって建物の構造に大きな変更を要する場合があることが挙げられます。
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[ 油圧式 ]

製品例:株式会社TOKIWA SYSTEM αダンパーExⅡ
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油圧式では、油圧シリンダーを利用し、建物の揺れを効果的に抑えます。装置のメリットは、大きな地震に対しても高い効果を発揮することです。デメリットとしては、システムが複雑であるため、初期投資やメンテナンスコストが高くなることがあります。
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[ 粘弾性体式 ]

製品例:イケヤコーポレーション株式会社 ガルコン
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エネルギー吸収能力の高い粘弾性体を鋼材で挟み込み、鋼材が平行移動した際に抵抗力を発揮して振動や地震エネルギーを吸収するします。繰り返しの揺れにも効果を発揮し、メンテナンスが比較的容易なことや、コスト効率も良い点がメリットと言えます。
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地震の多い日本では、これらの制震装置を建物の特性や災害時のリスクに応じて選ぶことが必要になります。最新の制震技術を住宅設計に取り入れることは、地震によるダメージの蓄積を減らして、家を長持ちさせる上ではとても効果的な手段になってきます。次の段落では、耐震と制震を組み合わせることの重要性について、さらに掘り下げてご説明します。

耐震と制震を組み合わせることの重要性

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耐震性を高めておくことで、一度の大きな地震のダメージを防ぐことはできますが、制震技術を組み合わせることで、その安全性を長期にわたり持続させる事ができます。近年発生している地震では、数多くの大きな揺れの余震が発生しており、大きな余震が何度も発生することで、建物が受けるダメージは蓄積されていってしまいます。しかし、制震システムを併用することで、建物の揺れ自体を効果的に抑制することができるため、連結箇所などの比較的強度の低い部分に蓄積されるダメージを軽減させ、建物のより高い安全性を実現することが可能になります。
また、地震発生時に家具の転倒や壁の損傷を抑えることもできるため、家族の安全をより確実なものにし、心理的な安心感も提供します。家族が安心して生活できる環境は、日々のストレスを減らし、健康的な生活に寄与します。
制振装置だけでは建物自体の耐久性を高めることはできませんが、耐震と制震を組み合わせることで、大きな地震と複数回発生する余震に強い、長期にわたり安全で安心な住まいを実現致します。

制震で実現する安全な住まい
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耐震+制震の導入により、私たちの住まいはより長持ちし、持続可能なものに変わります。熊本地震以降、一回の大きなの揺れに耐えるだけでなく、長期的に続く複数回の地震に耐えるということが必要となってきました。家の耐震を高めることはもちろん、地震の繰り返しの揺れを効果的に抑制する制震装置の導入は、今後の家づくりにおいてますます重要な検討課題となるでしょう。
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浜松市の工務店で制震技術を取り入れた家を建てるなら

地震に強い住まいを手に入れる上で、耐震+制震技術を取り入れた家の建設は最適な選択です。制震の家を建てるならぜひ、浜松市の工務店「花みずき工房」にご相談ください。私たちは、お客様の理想を形にするために、細部にまでこだわった家づくりを行っています。制震技術を取り入れた住まいで、安心した毎日を送りましょう。また、花みずき工房では定期的に構造見学会を開催しております。実際の住宅の構造を見学することで、より理解を深めることができます。制震技術を取り入れた家づくりに興味のある方は、私たちのウェブサイトからご予約いただくか、直接お問い合わせください。あなたの理想の家づくりをサポートいたします。
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Yukina Yamaguchi

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