家を建てられる方にとって、住まいに求めることは間取りや性能、外観やインテリアのデザイン性など数多くあるかと思いますが、住まいの居心地の良さや安らぎも理想の住まいを実現する上で、とても重要な要素になってきます。
「和モダンインテリア」はその理想を実現できる方法の一つです。和モダンとは、日本の伝統的な美意識と欧米のスタイリッシュで近代的なデザインが融合したスタイルで、洗練されたシンプルさの中にも自然を感じるぬくもりと落ち着きのあるデザインが魅力です。このスタイルは近年住宅にも積極的に取り入れられており、日本の伝統的な素材や色使い、デザイン要素を現代的な感覚で再解釈することで、新しい住まいの魅力を引き出しています。今回はそんな和モダンインテリアについて、その定義や歴史的背景、選ばれる理由、そして実現するためのポイントについてご紹介いたします。
和モダンインテリアで彩る、心安らぐ空間作り
伝統と現代が融合した
住まいの魅力
和モダンインテリアとは、日本の伝統的な美意識と欧米のスタイリッシュで近代的なデザインが融合した、和モダンスタイルを取り入れたインテリアスタイルです。畳や床の間、障子や襖、和の家具や木の格子など、日本の伝統的なインテリア様式と、シンプルで現代的な欧米のインテリア様式をミックスしたスタイルは、日本の伝統文化に根ざした「和」の精神と、現代的なライフスタイルが一体となり、洗練された心地良い空間を創り出します。
和モダンスタイルの基礎となる和の建築様式は、書院造りや数寄屋造りなど古くから日本の家屋に見られる自然素材の活用や、縁側や坪庭など、自然との調和を重視した生活空間の構成から着想を得て生み出されたものでしたが、明治時代頃から西洋の影響を受けはじめ、西洋建築を取り入れながら現代化が進み、畳敷きに椅子や絨毯を取り入れるなど「和洋折衷のインテリア」が生まれました。その後、昭和期の中期から後期にかけて、和洋折衷のスタイルは時代と共にさらに形を変え、現代の生活スタイルやデザインの進化に合わせて洗練され、2010年頃から和モダンスタイルと呼ばれる様になりました。
また2020年頃から、北欧のインテリアスタイルと融合したジャパンディと呼ばれるスタイルが話題となり、日本だけでなく世界中で注目を集め、国際的なデザインのシーンにおいても高く評価されています。和モダンインテリアは、日本の伝統と現代デザインのバランスを見事に取りながら、自然と調和しながら心安らぐ美しい空間を作り出すことができます。その歴史的背景を理解することで、和モダンの深い魅力に触れることができるでしょう。
和モダンインテリアを実現するためには、素材選びとデザインにおけるいくつかの重要なポイントがあります。ポイントをきちんと押さえて和モダンスタイルを実現できれば、洗練された現代の生活空間に、和の落ち着きとぬくもりが加わった心地よい空間を叶える事ができます。
まず重要になるのは、自然素材の活用です。珪藻土の塗り壁や天然木の床や格子、和紙の障子やイ草の畳など、自然由来の素材が和モダンインテリアの基盤を形成します。これらの素材は、空間に自然のぬくもりをもたらすだけでなく、自然素材ならではの断熱性能や調湿効果を享受でき、空間の空気環境も整えてくれます。
デザインの面では、障子や襖、木の格子などの和のアイテムや、縁側や坪庭、畳や土間空間などの和の空間要素を取り入れることが重要です。過剰な装飾を避け、必要最低限の美しさを追求することで、空間はより洗練された印象になります。また空間を仕切りすぎず、吹き抜けや大きな窓を設けることで自然光を取り込み、明るく温もりのある空間を目指すことも重要なポイントです。
和モダンインテリアでは、色使いも非常に重要です。自然を象徴する落ち着いた色合いを基調とし、白や日本人の肌の色に近いベージュを基調に、ナチュラルな木目色や畳のイグサの緑などを上手に組み合わせることで、空間に落ち着いた雰囲気と安らぎをもたらします。また、自然素材を多用した和モダンの空間では、月日の経過とともに風合いを増していく素材の経年変化を楽しむこともできます。
加えて、照明に注意を払うことで、和モダンインテリアの雰囲気を一層引き立てることができます。自然光を最大限に取り入れる設計や、柔らかな光を放つ和紙の照明器具を選ぶことで空間に暖かみを与え、居心地よい環境を作り出します。
これらのポイントを抑えることで、自然と調和した美しさと機能性を兼ね備えた心安らぐ和モダンインテリアの空間を実現することが可能です。素材選びから和の空間要素、色使いにまでこだわることで、理想の空間作りを叶えます。
和モダンインテリアが多くの人々に選ばれる理由は、和モダンインテリアが持つ「自然との一体感」にあります。自然素材をふんだんに用いて、自然美との調和を大切にデザインされた和モダンの空間は、日々の生活に癒しと安らぎをもたらします。
また、日本の伝統的な美意識と現代デザインの融合したスタイルが、見た目の美しさだけでなく、空間の機能性と快適さも高めている点も、和モダンインテリアが選ばれているポイントです。
さらに、現代日本のミニマリズムやエコフレンドリーな考え方、自然環境に配慮したシンプルで持続可能な世の中を目指す風潮も、和モダンスタイルの人気を大きく後押ししています。
本漆喰の塗り壁に包まれた吹き抜けのLDK空間に設けられた、上品なリビング階段が印象的な和モダンスタイルの住宅。自然素材をふんだんに活かしたインテリアが特徴で、床はタモの無垢フローリング、天井は無垢の杉板で仕上げられ、建具にも和のテイストを随所にちりばめた温もりの感じる素敵なお家です。
32坪の和モダンスタイルハウスの施工事例はこちら >>
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こちらの住宅は、広い敷地に優雅にそびえ立ち、シンプルな配色の伝統的な日本家屋と2台分の大きなガレージを持つダイナミックな外観を特徴としています。中に入ると、落ち着いた配色の自然素材を使用したインテリアと南面からの光がふりそそぐ気持ちの良いLDK空間が広がっています。
こちらの白い塗り壁と黒屋根のコントラストが鮮やかな和モダンの平屋住宅は、シンプルながらも美しいデザインが特徴です。お施主さまが幼少期に暮らした、庭のある日本家屋を思い起こさせるこの住まいは、自然素材に囲まれた快適なリビング空間、家庭菜園を楽しむことができる大きな庭、そしてそれらを見渡せるアイランドキッチンがバランスよく配置されています。
自然の恩恵を受けつつ、快適な温熱環境を実現した「高断熱×パッシブ設計」の和モダンの平屋。玄関ホールを抜けると、3畳ほどの小上がり畳コーナーがあり、その先にはサクラの無垢フローリングと本漆喰の塗り壁など自然素材を使用したLDK空間が広がっています。南面に設けられた大きな掃き出し窓からは明るい光が差し込み、暖かな家の雰囲気を演出しています。
この記事を通じて、和モダンインテリアの魅力、その選ばれる理由、そして叶えるためのポイントについて掘り下げてきました。また、実例紹介を通して、和モダンの理念がどのように実際の住まいに落とし込まれているかをご紹介いたしました。この記事をお読みいただき、和モダンインテリアに興味を持たれた方は、ぜひ花みずき工房のモデルハウス「山ぼうし茶房」にも足をお運びください。自然素材に包まれた和モダンな空間を、珈琲を飲みながらご体感頂くことができます。
また、個別のご相談も随時受け付けておりますので、ご自身の住まいを和モダンスタイルで彩りたいとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。花みずき工房のスタッフが、あなたの理想を形にするお手伝いをいたします。