防音室で叶える、趣味を存分に楽しむ暮らし
防音室の必要性や特徴、
実際の効果をご紹介
防音室が無くても、ご自宅で楽器を演奏されたり映画鑑賞を楽しまれる方も多いと思いますが、いったいどのくらいの音量から、ご近所への配慮が必要になってくるのでしょうか?
一般的に防音室を作る目的は、ご自宅で楽器の演奏をする方や、カラオケや音楽・映画鑑賞を楽しみたい方など、ご自身が発する音で近隣の方に迷惑をかけないようにするという近隣配慮の面が大きいです。
参考 ; DAIKEN
では実際、どのくらいの大きさから近隣に迷惑がかかってしまうのでしょうか。一般的に人がうるさいと感じる音の大きさは60dB(デシベル)と言われています。dBとは音の大きさを表す単位で、音が大きいほど数値が増加します。人が静かに快適に過ごせるのは40~50dB程度とされており、楽器の音量はピアノで90~110dB、ドラムで130dB程度になりますので、近隣にうるさいと感じられてしまう恐れがあります。
では一体どんな方に防音室は必要になるのでしょう。ここからは、防音室を設けることで、より充実される趣味やお仕事についてご紹介いたします。
[ 生音で楽器演奏を楽しみたい方 ]
防音室をつくる目的で一番多いのは楽器演奏です。特に、ピアノやドラム、管楽器などを生の音で演奏されたい方や、アンプを繋いで大音量でギターやベースを演奏したい方などの場合は、家族や近隣住民に配慮しつつ自由に演奏を楽しむことができます。夜遅くまで練習をされたい場合も、防音室であれば周囲に迷惑をかけることなく演奏することが可能です。
[ 専用の音響設備で音楽や映画鑑賞を楽しみたい方 ]
近年ではホームシアターやオーディオルームなど、ご自宅で大きな音が生じる趣味を楽しむために、防音室を求められる方も増えています。ホームシアターやオーディオルームを目的として防音室をつくると、映画や音楽を理想的な環境で楽しむことができるでしょう。壁材や吸音材にこだわることで、自宅でも映画館にいるような感覚を味わうことができます。さらにご自宅でカラオケを楽しまれたり、音楽制作においても、専用の音響設備を使用される場合は防音室が役立ちます。
[ 集中して読書や勉強をしたい方 ]
防音室は音が外に漏れるのを防ぐだけでなく、外から入ってくる音を軽減する効果もあります。外の騒音やご自宅の生活音を大幅に低減できるので、静かな場所で読書や勉強に集中されたい方にとっても、防音室は非常に有効です。
コロナ禍以降、自宅でテレワークを行う方が増えています。会議中に入り込む生活音や環境音を防いだり、機密事項を保護する必要がある場合は、防音室は重要な役割を果たします。また、お仕事で動画撮影や音声収録を行う方も、周囲の雑音が入り込むことなく、安心して収録を行うことができるでしょう。
防音室の種類には、大きく分けて「ユニットタイプ」と「防音工事タイプ」の2種類があり、それぞれお客様の用途やお住まいにあわせて使い分けが必要となります。
ユニットタイプは、既に完成しているご自宅の室内に、防音性能を備えた小さな個室を設置するタイプのものです。ユニットタイプには、「定型タイプ」と「フリータイプ」の2種類があります。
■ 定型タイプ
定型のボックス型防音室を室内に置く方法です。床にも防音機能があるため、アパートやマンションでも設置が可能です。製品の種類にもよりますが、コンセントやLANケーブル、エアコンの取付なども可能で、広さは0.8畳~4.9畳程のものが多く、費用は1帖10万円台~となります。
■フリータイプ
メーカーが開発した遮音パネルを、部屋の大きさに合わせて設置する方法で、賃貸住宅にも使用できます。梁や柱の形に沿って防音壁を作れるため、定型タイプと比べると、無駄なスペースができません。費用に関しては、6畳の場合の平均的な相場で250万円程度です。パネルやブースは規格品なので、その規格が持つ遮音性能以上を望むことはできません。
部屋そのものを防音室にする防音工事タイプ。弊社のほとんどの防音室は現場施工の防音工事タイプであり、壁、床、天井、ドアなどに防音材を施工いたします。防音性能と間取りやデザインの妥協をせず、お客様の必要な防音レベルやデザインの好みに応じて素材を選択できるため、意匠性と高い遮音性能を得ることができます。費用は6帖の場合で250万円以上が見込まれます。
防音室は実際にどの程度音を軽減できるのか?気になる方も多いと思います。そこで今回は、一番防音効果が高いとされている、「防音工事タイプ」の防音室で、実際に音量を測定してみました。お施主様にグランドピアノを演奏して頂き、防音室によってどれだけの音が遮られているのか、騒音測定器にて騒音レベルを測定いたしました。
この防音室では大建工業の防音ドアを使用しており、さらに天井には「オトテン」、壁には「オトカベ」という防音材を施工しています。
騒音測定器による効果測定の様子動画
グランドピアノの音色は室内で最大100dB近くに達しましたが、防音室の防音ドアを閉めることで50dB程度まで半減いたしました。さらに階段を下りた先の1階リビングでは40dB台まで音量が低下し、人のささやき声と同じレベルまで音の大きさが軽減されていることが確認できました。
防音室を設置する注意点
防音室は音を伝わり難くするために、気密性を高めた空間が必要となりますが、密閉された空間では酸素不足になるリスクがございます。加えて室内の臭いや湿気もこもりやすくなるため換気装置の設置が重要となりますが、空気を循環させつつ音が伝わらないようにするためには、防音室専用の換気システムの設置をお勧めいたします。
[ 開口部からの音漏れに注意 ]
防音室を作る場合、窓やドアなどの開口部の隙間にも注意が必要です。隙間があるとせっかく壁や天井、床面に防音材を施工していても音が漏れてしまう可能性があります。密閉性の高い防音ドアや、防音サッシ、窓の内側に内窓を設置するなど、開口部に隙間を作らないような工夫が必要です。
[ ダクト穴の隙間による音漏れに注意 ]
防音室にエアコンや換気扇、ダウンライトの配線などを取り付ける場合、設置の仕方次第では、防音性能が大きく低下してしまう可能性があります。配線の通り道をできるだけ防音材で覆い、開口部に専用のパッキンなどを取り付けることで、音の漏れを最小限に抑えることができます。ユニットタイプを購入する際も、専用のエアコンや換気扇が取り付け可能なものを選択することをお勧めいたします。
グランドピアノを2台設置した10.1帖の防音室。夜間も練習をされるピアニストのM様が周囲に気兼ねなく演奏を楽しめるよう、ダイケンの防音ドアや内窓、防音天井や防音壁を施工しています。さらに換気装置は音漏れに配慮した専用の器具を設置。熱交換も行えるため、屋外と室内の温度差を抑えながら、空気を効率よく入れ替えることができる快適な防音室です。
奥様はピアノ、ご主人はベースや楽曲編集など、音楽好きなご夫婦が実現した音楽室。共働きということもあり、夜間でも近隣に迷惑がかからない防音室を作りたいという要望から、壁や天井の内側には吸音性能の高い防音対策用の断熱材を施工し、窓には内窓を取り付け、床には遮音対策用の塗料を施しました。部屋全体に防音対策を施すことで、演奏する時間や音量の制約なく、音楽に没頭できる空間が実現しました。
音楽室のあるナチュラルな家 >>
100インチの昇降式スクリーンとプロジェクターを備えた、12畳の防音室型シアタールーム。サラウンドスピーカーシステムで大音響を楽しめることはもちろん、ドラムやピアノなど楽器演奏も楽しめる多目的な空間です。リビングとはまた異なる、贅沢な趣味空間を実現いたしました。
シアタールームを携えた和みの家 >>
今回は防音室について詳しくご紹介いたしました。近隣に迷惑をかけずにご自身の趣味に没頭したい方や、周りの音を気にせずに趣味を楽しみたい方は、ぜひ防音室を検討してみてはいかがでしょうか。花みずき工房では、お客様の使用目的に合わせて、適切な遮音性能と吸音性能を備えた最適な防音室をご提案いたします。詳細についてお知りになりたい方は、お気軽にご相談くださいませ。