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美しい塗り壁外壁をつくる
「ラスモルタル工法」

適切な下地処理で叶える
強く美しい塗り壁外壁

家の外観の大部分を占める外壁は、ファサードの印象を大きく左右する重要な要素です。花みずき工房ではサイデイングやガルバニウム鋼板など、様々な外壁材をお選びいただくことができますが、お客様に最も選ばれているのは「塗り壁外壁」です。塗り壁は継ぎ目のない一体感のある美しい見た目と柔らかな質感が人気で、意匠性だけでなく耐久性やメンテナンス性にも優れています。しかし、下地処理が悪いと塗り壁の仕上がりに悪影響を与えてしまい、経年劣化によってひび割れや剝がれ等が生じてしまうこともあります。家の印象を大きく左右する外壁だからこそ、長年美しい状態を保ちたいものですよね。そこで今回は、耐久性と美観を兼ね備えた塗り壁を実現するための下地工法について、詳しくご紹介いたします。
塗り壁外壁とは?

塗り壁外壁とは、建物の外壁を塗装や塗材を用いた左官などで仕上げる方法のことを指します。塗り壁の歴史は長く、およそ1300年前の飛鳥時代から建物の内外壁に用いられ、機能性や意匠性の改良を重ねながら現代に受け継がれてきました。時代の変化とともに「サイデイング」や「ガルバリウム鋼板」など、工場で生産した既成のパネルや板を使って簡単に施工できる外壁材も普及しましたが、パネルや板を現場で繋ぎ合わせていくため、どうしても外壁面に継ぎ目や目地が発生してしまいます。それに対して塗り壁は、現場で塗料や塗材を塗り重ねることで継ぎ目のない一体感のある外壁を作り出すことができ、その手作り感あふれる美しい風合いが最大の魅力となっています。



現在、代表的な外壁塗り壁材としてはアイカ工業の「ジョリパット」が有名で、160種類の仕上げパターンとおよそ150色のカラーバリエーションを組み合わせることで、実に多彩な塗り壁外壁を実現することが可能です。


ジョリパットについて知りたい方はこちら >>

仕上げに差が出る塗り壁下地の工法

前述のとおり、美しい塗り壁を施工するためには下地処理がとても重要となります。下地がしっかりしていないと、仕上げの意匠に悪影響を及ぼす他、外壁のひび割れや剥がれの原因となる可能性もあります。現在、塗り壁下地の工法には古くから続く伝統的な「ラスモルタル工法」とそれを簡易化した工法があり、どの工法を選ぶかによって塗り壁の仕上がりや耐久性に差が生じてきます。ラスモルタル工法は、1980年代まで日本の一般住宅の外壁に最も多く使われてきましたが、工数の削減や左官職人の減少により、採用する会社が減少してきました。近年では工期短縮のために、モルタル下地の代わりに工場生産されたパネル材を使用する等、ラスモルタル工法を簡素化した工法が広く普及しています。

簡易モルタル下地
お手軽で短工期な「簡易的」下地工法

塗り壁外壁の簡易的な下地施工方法としては、窯業系サイディングなどの既成パネルを塗り壁下地材として代用する方法が主流で、中でもニチハの「モエン大壁工法」が有名です。あらかじめ用意された既成品のパネルを現場で貼り合わせ、そのまま仕上げ材を塗ることができるため熟練の職人技術が不要で、マニュアル通りに施工すれば一定の品質で塗り壁外壁を仕上げることが可能です。下地の乾燥期間を必要としないため天候の影響を受けにくく、工期を大幅に短縮できます。ただし、パネルの上下接合部や入隅部分にはシーリング目地を設ける必要があるため、完全な目地無し仕上げを行うことはできません。


モエン大壁工法で仕上げた塗り壁


また、目地無し仕上げを行ったパネルの接合部も、目地処理材やシーラーの厚みによる影響で、光のあたり具合によっては継ぎ目が浮き出てしまい、完全にフラットで一体感のある塗り壁外壁を仕上げることは難しいです。

こだわり派にお勧めの「伝統的」下地工法

伝統的な塗り壁の下地工法としては、「ラス網」と呼ばれる金属製の網を下地として、その上にモルタルをコテで塗り付けていく「ラスモルタル工法」が主流です。ラス網は、モルタルがしっかりと外壁にひっかかり付着するための支えとなる他、外壁の強度を高める役割も果たします。



この工法では、モルタルを「下塗り→中塗り→上塗り」の3回に分けて塗り重ねることで、合わせて15〜20mm程度の頑丈な塗り壁下地を作ることができます。乾燥養生期間を設けるため工期は長くなりますが、パネルを使用した簡易的な下地工法とは異なり、完全に目地のない塗り壁下地を作り出すことができ、フラットで美しい塗り壁外壁を実現することができます。



さらに、花みずき工房では建物を湿気から守り長持ちさせるために、外壁通気層を確保した富士川建材工業の「ラスモルⅡ ノンクラック通気工法」を採用しています。
木造躯体と外壁の間に空気の通る通気層を設け、壁体内にある湿気を常時屋外に放出することで、木材が腐食することを防ぎ、木造住宅を長持ちさせています。

花みずき工房の「塗り壁」施工例

伝統的な「ラスモルタル工法」で施工された花みずき工房の建物は、長年にわたって美しい塗り壁外壁を持続させています。次に、実際にこの工法で建てられた、継ぎ目のない美しい塗り壁外壁の施工実例をご紹介いたします。

[ 遊び心がつまった和の平屋 ]


白い塗り壁と黒い屋根のコントラストが美しい、和モダンスタイルの平屋住宅。お施主様が子どもの頃に暮した「お庭のある日本家屋」をイメージして作られたW様邸のファサードには、木格子とアプローチの植栽が彩りを与えています。


遊び心がつまった和の平屋 >>


[ モダン×エレガントstyleの家 ]


スクエアデザインに、ニュアンスカラーの塗り壁外壁を採用したシンプルモダンな外観が特徴のO様邸。アプローチの壁に貼られたアクセントタイルが映える、シンプルながらも上質感漂う住まいです。

モダン×エレガントスタイルの住まい >>


[ 玄関土間で繋がる住まい ]


片流れの屋根をバランスよく組み合わせたS様邸。外壁には花みずき工房が運営するカフェ「山ぼうし茶房」と同色の塗り壁を採用した、趣のある現代和風のファサードデザインです。


玄関土間でつなぐ事務所と住まい >>



[ 南を閉じたモダンスタイルの家 ]


グレーの2トーンカラーで仕上げられたM様邸。フラットな仕上がりの中に奥行き感を感じる「割り肌」仕上げの塗り壁外壁が、シンプルな外観にどっしりとした重厚感を与えています。


南を閉ざしたモダンスタイルの家 >>


[ 10年後もずっとキレイが続く家 ]


ミスティグレーの塗り壁と黒いサッシ枠のコントラストがクールな佇まいを魅せるT様邸。長年にわたって「ずっときれいが続く暮らし」を描かれて建てられた住まいは、10年経った今でも美しい外観を保たれています。


10年後もずっとキレイが続く暮らし >>

美しく長持ちする塗り壁を作るためには、下地処理から丁寧に施工することが必要です。伝統ある「ラスモルタル工法」を採用することで、年月を経ても美しい佇まいを保つ塗り壁の住まいが実現します。花みずき工房では、1994年の創業当初より塗り壁の技術を磨き続けて参りました。また、展示場では経年変化した塗り壁の様子を実際にお確かめるいただくことも可能です。塗り壁について詳しくお知りになりたい方は、お気軽に展示場へお越しくださいませ。

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Yukina Yamaguchi

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