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建材の安全性を示すF☆☆☆☆の落とし穴

高温多湿の環境下で高まる、
ホルムアルデヒドのリスク

家具や建材を選ばれる際、「F☆☆☆☆」というマークをご覧になったことはありますか?これはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの発散量を示すマークで、その建材が健康に配慮されたものであることを表しています。ホルムアルデヒドを意味する「F」と☆の数で4段階ある等級を表し、星の数が多いほど安全性が高いことを示していますが、最高ランクのF☆☆☆☆の建材を使用していれば必ずしも安全とは言い切れません。末永く健康で住まうためには、ホルムアルデヒドの性質を正しく理解して室内環境を整える必要があります。そこで今回は建材の安全性を表すF☆☆☆☆について、詳しくご説明いたします。

建材の安全性を示すF☆☆☆☆とは?

 

F☆☆☆☆とは、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放散量を示す、JIS(日本工業規格)とJAS(日本農林規格)に基づく建材の安全等級です。この制度は2003年の建築基準法改定に伴い定められたもので、ホルムアルデヒドの発散量に応じて等級が4段階に分かれており、F☆☆☆以下のホルムアルデヒド発散量の多い内装材には使用面積の制限が設けられています。
最高ランクのF☆☆☆☆は内装材として無制限に使用することが可能で、ホルムアルデヒド発散量が少なく安全性の高い材料ということを表しています。

 

 

厚生労働省は1997年にシックハウス対策のガイドラインとして室内のホルムアルデヒドの濃度指針値を0.08ppm (0.1mg/m3)以下と定めており、2003年の建築基準法改定ではホルムアルデヒドをはじめとする有害物質を室内に溜めないよう、24時間換気システムの設置も義務付けられました。

F☆☆☆☆制定の経緯

 

前述の「ホルムアルデヒド」とは、水素、炭素、酸素から構成される揮発性の高い化学物質で、自然界にも存在する無色透明の気体です。独特な刺激臭を持っており、水溶液であるホルマリンという名称でご存知の方も多いと思います。加工しやすく安価なため大量生産に向いており、化学工業の発展に伴い1900年初頭から防腐剤や消毒液、建材においては、合板、パーティクルボード、壁紙などの接着剤、塗料などに盛んに使用されてきました。


しかし1980年代の始め、建材や家具、日用品などから発散されるホルムアルデヒドが原因となり、アメリカで多くの方々が深刻な体調不良を訴えるシックビルディング症候群が社会問題化しました。当時、省エネルギー社会の実現に向けて住宅の高気密化が進む一方で、有害物質を発散する可能性のある建材が制限なく使用されていました。そのような状況の中、換気が適切に行われず、室内に滞留した多量のホルムアルデヒドを吸引したことが主な原因だと考えられています。
1990年代には日本でも、目や喉などの粘膜への刺激、めまい、アトピー性皮膚炎などの症状が出る「シックハウス症候群」が社会問題となり、2003年にホルムアルデヒドに対する法整備が行われ、F☆☆☆☆が制定されました。

F☆☆☆☆は本当に安全?

 

F☆☆☆☆の制定によりシックハウス症候群の発症件数は減少しましたが、F☆☆☆☆の建材であってもホルムアルデヒドが全く含まれていない訳ではありません。ホルムアルデヒドは新築やリフォームの完成直後が一番発散量が多く、次第に減少しては行くものの、その後も長期にわたって発散され続けます。そして高温多湿の条件下では、発散量が急激に増加するという性質があります。ホルムアルデヒドは水に溶けやすい性質のため、水蒸気を多分に含むことのできる高温の室内では濃度が上昇してしまいます。実際に夏場はシックハウス症候群の発症が多く、同じ室内であっても湿気の溜まりやすい収納内部や家具の裏などからは、高濃度のホルムアルデヒドが検出されます。冬場は気温や湿度は下がるものの、寒さから換気の回数が減ったり、暖房で室温が上がればホルムアルデヒドの発散量は増えてしまうので、変わらず注意が必要と言えます。
F☆☆☆☆だからと言ってホルムアルデヒドを含む建材を住宅に多用したり、高気密化した住宅で正しく換気が行われていないと、ホルムアルデヒドの濃度は指針値の0.08ppm以上に上昇してしまうことがあり、健康被害のリスクが高まってしまいます。そのため有害物質を発散する恐れのある建材は、使わないに越したことはありません。

有害物質を含まない「自然素材」でつくる家

 

花みずき工房では上記の事を考慮して、ホルムアルデヒドなどの有害物質をそもそも含まない「自然素材」を多く活用した家づくりにこだわっています。内装仕上げ材には天然素材の珪藻土や漆喰の塗り壁、無垢の床板を多く使用しています。花みずき工房が採用している珪藻土の「エコクィーン」は光触媒効果も持っており、ホルムアルデヒドをはじめとする有害物質を分解できるため、常に清潔な空気環境を保つことができます。また、無垢木材に使用する塗料には、自然健康塗料の「リボス」を採用しています。化学物質はもちろん、「健康に害のある成分は、天然物でも使用しない」というコンセプトを貫いた、赤ちゃんが舐めても大丈夫な塗料です。
さらに、構造材には「無垢の天竜ヒノキ」を多用し、断熱材にはホルムアルデヒドを含まない「フォームライトSL」を使用するなど、建物完成後には隠れてしまう材料にもこだわり抜いた家づくりをおこなっています。

今回はF☆☆☆☆と、健康被害を及ぼすホルムアルデヒドの特性について、詳しくご紹介致しました。
自然素材をふんだんに使用して建てられた花みずき工房の展示場では、空気の気持ち良さや居心地の良さをご体感いただくことができます。実際に展示場に来られたお客様からも「他の展示場では咳が止まらなくなってしまい入れなかったのですが、花みずき工房の展示場には入れました。」とか、花みずき工房の家に暮らしてみて「アトピーの症状が和らぎました。」というお声を頂きます。ぜひ自然素材にこだわった展示場で、空気の違いをご体感ください。

 

ハウジングアドバイザー

Yuki Enaka

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