これから新築住宅を建てる方やリフォームを検討している方の中には、「せっかくなら最新の設備を取り入れたい」と考える方も多いのではないでしょうか。特に水回りの設備は日々進化を続けており、使い勝手や快適性が年々向上しています。そのため、最新の機能を知ったうえで、自分たちのライフスタイルに合った設備を選ぶことが大切です。中でもトイレは、家族全員が毎日使う重要な設備ですので、快適さや清潔さだけでなく、健康への配慮も含めて慎重に選ぶことをおすすめいたします。
そこで今回は、日々の暮らしをより快適で健康的にするために、大手メーカー4社が提供するトイレの特徴や最新機能、価格帯を詳しくご紹介いたします。
理想のトイレはどれ?:大手メーカー4社とその商品を徹底比較
日本のトイレの進化と
大手メーカー4社をご紹介
日本と海外のトイレ文化
日本のトイレは、先進的な技術と快適性で世界的に高く評価されています。1980年にTOTOが初めて温水洗浄便座「ウォシュレット」を発表して以来、日本のトイレ文化は大きな進化を遂げました。現在では、温水洗浄便座の国内普及率は約80%と非常に高く、家庭や公共施設で衛生面や快適性が大幅に向上し、日常生活に欠かせない存在となっています。一方、海外では日本とは異なるトイレ文化があり、温水洗浄便座の普及率は10%未満と低いのが現状です。地域によっては、硬水の影響で温水洗浄便座が故障しやすい問題があるほか、トイレマナーや衛生教育が十分に行き届いていない地域も少なくありません。また、温水洗浄便座が高価であるため、盗難の対象となるケースも普及の障壁となっています。日本のトイレが世界で注目される理由の一つに、細やかな配慮を感じられる機能があります。たとえば、排泄音を隠すための擬音装置は、日本特有の気遣いが反映されており、利用者に心理的な快適さを提供しています。日本のトイレは、機能性や快適性だけでなく、清潔さや心地よさを徹底的に追求しており、その独自の魅力は技術の進化とともに今後も発展し続けるでしょう。
昔のトイレは陶器製の一体型が主流でしたが、時代とともに大きな進化を遂げてきました。現在では、樹脂や特殊素材を使用した一体型トイレのほか、タンク・便器・便座が独立した分離型トイレや、デザイン性を重視したタンクレストイレなどが注目を集めています。この様な進化により、トイレ空間は機能性だけでなく、デザイン性や省スペース性にも優れるようになりました。また近年のトイレには、「暮らしの質」を高める革新的な機能が数多く搭載されています。たとえば、使用後に便器内を自動で清潔に保つ自動洗浄機能や、尿の飛び散りを防ぎ清潔感を保つバブル機能、掃除がしやすいフチなし設計など、メンテナンスの手間を軽減する工夫が施されています。さらに、節電・節水設計により環境への負荷を軽減し、家計にも優しい仕様へと変化を遂げ、これらの進化は便利さだけでなく、家族の健康や暮らしの快適さ、さらには地球環境への配慮にもつながっています。
現在日本国内では、大手4メーカーがそれぞれ独自の技術と特性を活かしたトイレを開発し、幅広いニーズに応えています。次に、それぞれのメーカーが提供する主な製品とその特徴について詳しくご紹介いたします。
意匠性と機能がひとつに「LIXIL」
住宅設備や建材を提供する日本最大級のメーカー「LIXIL」は、洗練されたデザインと使いやすさを兼ね備えたトイレを展開し、住空間とのトータルコーディネートに適しています。こだわりのシャワートイレ機能には2本のノズルを搭載し、1本はおしり専用、もう1本はビデ専用で、より快適な使用感を実現。さらに銀イオンによる抗菌効果で細菌の繁殖を抑え、便器内を常に清潔を保つことが特徴です。
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トイレ空間から水まわりの住宅設備機器全般を手掛ける老舗企業、TOTO(旧 東洋陶器株式会社)は、清掃性に優れたトイレを展開し、独自の「きれい除菌水」機能により、便器やノズル、便座が自動で除菌され、常に清潔さが保たれます。また、椅子のようなゆったりとした座り心地を提供する「らくフィット設計」を採用し、太ももやお尻への圧迫感を抑えながら自然な姿勢で排泄しやすいよう工夫されており、長時間でも快適に過ごせるトイレが特徴です。
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家電、空調、照明、電気設備などを中心に、幅広い分野で事業を展開している日本を代表する電気製品総合メーカーのPanasonicは、航空機の窓や水族館の水槽にも使用される「スゴピカ素材(有機ガラス系)」を便器に採用し、水アカや汚れがつきにくく、長期間にわたり美しさと耐久性を保つことができます。また、尿の飛び散りを防ぎ清潔感を保つ「激落ちバブル」機能や除菌効果の高い「オゾンウォーター」や消臭効果を発揮する「ナノイーX」などキレイ機能が充実していることも特徴です。
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システムキッチンや洗面台の国内トップクラスのシェアを誇る大手住宅設備機器メーカーのTakara standardは、オプションでトイレの壁や床に世界最高レベルの独自開発「高品位ホーロー」を使用することが可能です。防臭性、清掃性に優れ、汚れや湿気に強く、ニオイが付きにくいため、サッと水拭きするだけでお手入れが簡単。さらに、マグネットが付く素材であるため、自由なアレンジが可能で、インテリアに合わせたカスタマイズを楽しめることも特徴です。
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以上のように、それぞれ特徴の異なる各メーカーのトイレついて、詳しくご紹介させていただきました。各社にはさまざまな特徴があり、簡単にまとめさせていただくと、LIXILは洗練された意匠性、TOTOは清掃性、Panasonicは衛生性に優れています。また、Takara standardは周辺設備が充実している特徴があり、それぞれのメーカーが独自の強みを活かし、安心で快適なトイレを提供している点が共通しています。
さらに下記の表では、各トイレメーカーの商品構成と、それぞれの価格帯を比較させていただきます。
※各メーカーの仕様基準は異なります。フロートトイレやキャビネット付きトイレにつきましては、今回の内容には含めておりません。
こちらの表をご覧いただくと、トイレの基本価格の相場は約20万円~30万円がボリュームゾーンとなっており、意匠性や清掃性に優れたLIXILやTOTOの高価格帯モデルはさらに価格が上昇する傾向にあります。トイレは毎日使用するものだからこそ、便座の角度や座り心地が使用感や快適さに大きく影響します。そのため、実際にショールームを訪れ、デザインや機能性だけでなく、自分やご家族に合った座り心地や使い勝手を実際に体感してみることをおすすめいたします。
今回は、日本のトイレの進化と大手メーカー4社の商品の特徴について詳しくご紹介いたしました。このコラムが衛生面や機能性に優れ、暮らしをより快適にするための自分にあったトイレ選びの参考になれば幸いです。また、花みずき工房が定期的に開催している現場見学会では、様々なメーカーのトイレを実際にご確認いただくことが可能です。是非ともお気軽に足をお運びください。
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