MENU

Column

「ほぼ平屋」:平屋と2階建ての良いとこ取り住宅とは?

平屋の進化と、実例から見る
新しい住まいの形

ほぼ平屋 外観

近年、住宅市場で平屋が注目を集めています。花みずき工房の施工実績によると、2021年には全体の5%に過ぎなかった平屋の割合が、2024年には驚くべきことに全体の4割を超えるまでに増加しました。この急激な変化の背景には、平屋が持つ住みやすさやデザイン性の高さが評価されていることに加え、少人数世帯の増加やミニマル思考の高まりといった社会的な要因が影響しています。また、土地の制約やコスト面での課題を克服するため、平屋にはこれまで以上にさまざまな工夫が施され、従来の「一階建て」という枠組みを超えた新しいスタイルが生まれています。その代表例が「ほぼ平屋」です。
今回は、この「ほぼ平屋」とはどのような住宅なのか、平屋住宅の進化の歴史や具体的な施工事例を交えながら、その魅力を詳しくご紹介いたします。

平屋

平屋の定義
,

平屋とは1階部分のみで構成された建物のことを指し、「1階建て」とも呼ばれています。一般的な平屋では階段がなく、リビングやキッチン、浴室、洗面室、主寝室、子ども部屋など、全ての生活空間がワンフロアに配置されています。平屋は、2階建以上の建物に比べて間取りの柔軟性が高く、構造を単純化できるため耐震性に優れており、バリアフリーの観点からも身体的な負担を軽減し、高齢者や小さなお子様がいるご家庭でも安心して暮らせる住まいづくりが可能です。一方で、広い建築面積を確保する必要があるため、土地のコストが高くなる傾向にある他、基礎や屋根面積が広くなるため、2階建てよりも建築コストが割高になる場合もございます。

ほぼ平屋 リビング

平屋需要の高まりとその進化
,

平屋と聞くと、昔ながらの家を思い浮かべる方も少なくないかもしれません。しかし、その考えはもう過去のものです。1960年代以降、2階建て住宅が主流となっていた時代を経て、2020年頃から平屋の持つシンプルな暮らしやデザイン性が再評価され、再び平屋住宅が注目され需要を高めています。そしてここ数年では、従来のシンプルな一階建てを超えた新しいスタイルが次々と生まれるようになりました。平屋のデメリットを補うべく「少しでも安く、かつ良いものを」という多くの方のニーズに応えるため、これまでの伝統的な平屋のイメージを超えた、多様な住まいの形が登場しています。その代表的な例が、平屋の持つ動線の良さや生活のしやすさを保ちながら、限られた敷地を有効活用できる「ほぼ平屋」です。次に、このほぼ平屋について詳しくご説明いたします。

コラム リンクバナー
平屋人気の理由が知りたい方はこちら >>

ほぼ平屋 外観

進化系平屋の代表格、「ほぼ平屋」とは?
,

「ほぼ平屋」とは、基本的な生活空間をワンフロアで完結させる平屋の魅力を持ちながら、一部に2階やロフト、半地下を取り入れた住宅の形態を指します。完全な平屋とは異なり、高さや層構造を加えることで、平屋の利便性に加え、空間の立体的な活用やデザインの自由度が向上します。その結果、さまざまなライフスタイルや土地条件に柔軟に対応できる住まいを実現します。次に、ほぼ平屋の特徴をご紹介させていただきます。

,
1. 立体空間の活用
,平屋は一階部分で完結しますが、「ほぼ平屋」は、2階スペースや半地下を取り入れることで、自由度の高い住まいを実現することができます。必要に応じて小上がりやスキップフロア、ロフトといったアイデアを採用し、余すことなく空間を立体的に活用しながら、平屋特有の、暮らしやすさを保つことができ、住む人のライフスタイルに合わせた柔軟な空間設計を叶えます。

,

2. 生活空間は1階に集約
,「ほぼ平屋」では日常生活の大部分が1階で完結するといった特徴があります。もし2階に主要スペースが配置されていた場合、利便性に欠けることになりかねません。生活動線を崩さないため、1階は生活の中心となるキッチン、リビング、ダイニングといった空間を設け、家事や日常の動きがスムーズに行えるよう配慮し、2階部分には子供部屋や趣味の空間を配置することで、プライバシーが守られ、家族それぞれの生活スタイルに合わせた快適な空間が生まれます。

 

3.平屋の開放感を維持
,大きな窓や吹き抜け、高い天井が特徴的な「ほぼ平屋」の設計には工夫が凝らされており、2階やロフトが視覚的に重くならないよう配慮されています。例えば、勾配天井を取り入れることで、平屋の解放感を維持しつつ、さらなる広がりと心地よさを感じられる空間が実現されます。外観デザインでは低層で横に広がる平屋のような印象を与えることが多く、2階部分が目立たないよう巧みに設計されています。
ほぼ平屋 リビング

「ほぼ平屋」のメリット
,

平屋と2階建てのいいとこどりをした「ほぼ平屋」には、数多くのメリットがあります。土地を効率よく活用しながら、十分な収納スペースや遊び心のある空間デザインが可能で、快適で楽しい住まいを実現いたします。下記にほぼ平屋の具体的なメリットをご紹介いたします。
,

1. 拡張性や可変性のある暮らしの実現

2階部分を収納や書斎、趣味の部屋として活用することで、1階で基本的な暮らしを完結させつつ、個性的で拡張性のある暮らしが実現します。また、家族構成やライフスタイルの変化に応じて、柔軟に対応できる可変性を持たせることが可能です。

2. 遊び心を感じるデザイン

「ほぼ平屋」の魅力の一つは、デザインに個性を取り入れやすい点です。例えば、2階を子ども部屋にすることで、秘密基地のようなワクワクする空間を作り出すことができます。また、大人の趣味部屋や読書スペースを設けることで、家全体に特別感を加えることも可能です。

3. 採光や風通しの向上

2階部分を設けることで、吹き抜けや高窓などの工夫がしやすくなり、1階全体に自然光を取り入れ安くなる他、効率的な換気も実現することができます。上下方向の設計が可能になることで、平屋にはない立体的な空間設計が可能となります。

4. 敷地を有効活用できる

平屋は広い土地が必要になりがちですが、ほぼ平屋なら一部を2階建てにすることで、敷地面積を効率的に活用できます。特に狭小地や変形地でも、広々としたLDK空間や必要な収納スペースを確保できる点が大きな魅力です。

ほぼ平屋 リビング

花みずき工房の「ほぼ平屋」施工実例

ここまで、ほぼ平屋の特徴やメリットついてご紹介させていただきましたが、ここからは、花みずき工房が実際に手掛けた施工実例を交えながら、その魅力や工夫をご覧いただきたいと思います。


■「ほぼ平屋」実例1:浜松市中央区 S様邸


【 1階 】 86.95㎡:玄関 4.5帖・LDK 23.6帖・水回り 7帖・寝室 6.5帖
・ファミリークローク 2.6帖・収納1.5帖・トイレ 1帖
【 2階 】 28.77㎡:収納 1.5帖・洋室 5.2帖(2部屋)


WORKS リンクバナー
木の魅力につつまれる家の施工事例はこちら >>


■「ほぼ平屋」実例2:浜松市浜名区 M様邸


【 1階 】 74.52㎡:玄関 約3帖・LDK 18.5帖・和室3.3帖・水回り 約6帖
・寝室 6帖・トイレ1帖
【 2階 】 31.88㎡:収納 3帖・洋室 5.4帖(2部屋)・トイレ 1帖


WORKS リンクバナー
32坪の和モダン住宅の施工事例はこちら >>


■「ほぼ平屋」実例3:浜松市中央区志都呂町 I様邸


【 1階 】 68.11㎡:玄関 約2帖・LDK 18.4帖・ヌック 2帖・水回り 約6帖
・洋室 6.3帖・トイレ1帖

【 2階 】 29.81㎡:収納 3.5帖・洋室 4.5帖(2部屋)・トイレ 1帖


WORKS リンクバナー
自然素材と勾配天井が彩るほぼ平屋の施工事例はこちら >>


ご紹介させていただいた「ほぼ平屋」の実例はそれぞれ個性が光りますが、どれも1階部分で暮らしが完結する平屋の魅力を持ちながら、必要な空間を2階部分に配置することで、各ご家庭の理想的な暮らしを実現しています。
さらに、勾配天井も大きな魅力のひとつです。施工実例のように、梁をあえて見せたデザインや無垢の板張りで天井を仕上げることで、空間に開放感を与えながら自然素材の温かみある雰囲気を作り出すことができます。このように、「ほぼ平屋」は機能性とデザイン性を両立させ、より豊かな暮らしを提供する住宅スタイルと言えるでしょう。

ほぼ平屋 内観

今回は、平屋住宅の進化形である「ほぼ平屋」について、平屋の歴史や施工実例を交えて魅力をご紹介いたしました。家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる「ほぼ平屋」は、これからの住まいづくりの可能性が広がります。住宅を検討されている方や具体的に建築を考えている方にとって、本コラムが参考になれば幸いです。また、花みずき工房の現場見学会では、実際に「ほぼ平屋」の住まいをご覧いただくことができます。是非ともお気軽に足をお運びください。


イベント情報
イベント情報はこちらから >>

広報

norika takayanagi

Related Articles

この記事を見た人は、次の記事もチェックしています