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土地購入で失敗しないために|注意点と避けるべき土地の特徴

家づくり全体を考慮した
土地購入のポイント

住宅地の俯瞰写真
注文住宅を検討される方のうち、土地探しから家づくりを始める方が6割以上と言われています。しかし、土地の購入は高い買い物であることはもちろん、法令上の制約なども多く、土地の購入は慎重に行う必要があります。そこで今回は土地購入で失敗しないために知っておくべき注意点や、満足いく家づくりのための土地購入のポイントなどを総合的にご説明いたします。
上空から見た土地

土地購入で注意すべきポイント

 

土地購入は、多くの方にとって一生に一度あるかないかの大きなイベントです。「何から始めたらいいのかわからない」という不安を抱える方も少なくありません。さらに、土地を購入したものの希望の建物が建てられなかったり、予想外に費用が増えてしまうといった失敗も起こり得ます。こうしたトラブルを防ぐために、土地探しの際に押さえておきたいポイントを事前に確認しておきましょう。

 

1. 用途地域や法令上の制限を確認

建物は、敷地面積に対して必ずしも目一杯建てられるとは限りません。土地は都市計画法に基づいて、地域ごとの利用目的に応じた「用途地域」が指定されています。住居系だけでも8種類の地域に分かれており、用途地域ごとに「建ぺい率」や「容積率」という敷地面積に対する建物の面積を制限する法令が定められています。検討している土地に希望する間取りの住宅が建築できるかどうか、建築のプロに確認することが大切です。

 

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建ぺい率・容積率のコラムはこちら >>

 

2. 地盤の強度を確認

地盤が弱い土地にそのまま建物を建ててしまうと、不同沈下といって建物の重さに地盤が耐えきれず、地盤が不揃いに沈下して建物に傾斜が生じるリスクがあります。また水を多く含む地盤は、地震の影響によって液状化現象を起こすなど災害へのリスクも抱えています。もちろん地盤改良工事を行いうことで安全に家を建てることは可能ですが、工事の規模によっては200万円以上もの費用がかかる場合もあり、土地の購入前に「地盤サポートマップ」などでおおよその地盤の強度を確認して予算を確保しておくことが大切です。

 

3. 接道義務を確認

住宅を建てる土地は「幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と建築基準法で義務付けられています。例えば建築基準法の制定前に建築された建物があった場所に新築する場合などに、「セットバック」といって土地と道路の境界線を土地側に後退させて道路幅を広げる必要があります。この場合、セットバックで減少する土地面積や、その影響を受けた建ぺい率および容積率も理解しておくことが重要です。さらに、前面道路が狭い場合には、車の出入りが不便になったり、工事車両が進入しづらくなることで、建築工事に追加費用が発生する可能性もあります。これらの点を事前に確認し、慎重に計画を進めることが大切です。

 

4.ライフラインの整備を確認

事前に上下水道、ガス、電気といったライフラインが整備されているかどうかも確認しておきましょう。水道管が通っていない場合や建築する住宅の規模に合わせて水道口径の拡大を行う必要がある場合は、買主負担で引き込み工事を行い、自治体の水道局に水道分担金(水道加入申込金)を納付します。ガス導管がない場合の引き込み工事や、既存の電柱と建物までの距離が遠い場合の引き込みポールの設置も買主負担で行います。土地の中に電柱がある場合は、電力会社や通信会社などの所有者に移設の相談が可能で、移動の可否や費用負担者は状況によって判断されます。必ずしも希望の位置に移動できるとは限らないため、思いもよらない位置に電柱が建ってしまい景観を損ねたり車の出し入れに影響したりするがないよう、事前に確認することが大切です。

 

5. 災害リスク(ハザードマップ)の確認

土地購入時にハザードマップを確認することは、自然災害のリスクを把握し、安全な土地選びをするために重要です。ハザードマップは、洪水、土砂災害、地震、津波などのリスクを示しており、事前に確認することで災害リスクを避けるだけでなく、保険料や資産価値への影響を考慮した判断が可能です。リスクが高い場合は防災対策を講じることで被害を最小限に抑えられます。自治体や国のウェブサイトで入手可能なため、購入前に必ず確認し、安心できる土地を選びましょう。

 

6. 隣地との高低差を確認

隣地との高低差がある土地は相場が安い傾向がありますが、盛土や切土などの造成工事に費用がかかることがあります。低い土地は日当たりや排水に問題があり、浸水リスクも高まります。一方、高い土地は段差が生じ、バリアフリー化が難しい場合があります。また、隣地との高低差が大きい場合、「がけ条例」により建築が制限され、擁壁などの安全対策工事が必要になることもあります。静岡県では周囲に2メートルを超える高低差がある場合、安全上支障がない場合を除いてがけに対して擁壁工事などの安全な対策が必要になります。擁壁工事には数百万円かかることがあり、補強工事の出費も見込む必要がございます。

 

7. 隣地との境界線を確認

本来土地の売主には「境界明示義務」といって土地の範囲や境界を明確に示すことが義務付けられていますが、強制力がないため境界があいまいなまま売りに出される土地もあります。そのまま購入すると境界について隣地所有者とトラブルになり、境界確定訴訟にまで発展するケースもあります。売買契約の前に、売主と隣地所有者立ち会いのもと土地家屋調査士による測量を行い、境界確定を行うことが望ましいです。測量費用は原則として売主が負担します。また境界確定がなされていても、隣地との境界線上に塀がある場合はその所有者を明確にしておきましょう。共有の場合は塀を勝手に修繕したり、取り壊すことはできませんので注意が必要です。

 

8. 諸費用を確認

土地購入には仲介手数料や手付金、登録免許税、不動産取得税などの諸費用がかかります。仲介手数料は売買手続きを依頼する不動産会社に支払うもので、宅地建物取引業法により定められた上限額である「土地代金の3%+6万円」に設定されていることがほとんどです。手付金は買主へ土地代金の一部を支払うもので、土地代金の5~10%が一般的です。その他にも土地の購入に関わる様々な税金もあるため、事前に費用を洗い出し、後々支払う費用まで視野に入れた資金計画を立てておくと安心です。

家を建てるための費用目安を計算するハウジングアドバイザー

土地購入で発生する税金の種類

 

土地の購入時には、購入費用以外にもさまざまな税金が発生いたします。次に、土地購入に関わる様々な税金について、詳しくご説明いたします。

 

・印紙税

印紙税は土地の売買契約書を締結する際に、契約金額に応じて文書に課せられる税金です。令和9年3月31日までの間に作成される契約書は、印紙税の税額が軽減されます。軽減後の税額は次の通りとなります。
1千万円を超え5千万円以下のもの:1万円
5千万円を超え1億円以下のもの:3万円

 

・登録免許税

登録免許税は、土地の所有権を売主から買主へ移動する「所有権移転登記」の手続きの際に課せられる税金です。(税金とは別に、手続きを代行する司法書士への手数料の支払いもあります。)
[計算方法]
土地代金×2%

 

・不動産取得税

不動産取得税は地方税の一種で、土地を取得した時に一度だけ課せられる税金です。
[計算方法]
(土地代金×2分の1×3%)-控除額

土地を取得した日から2年以内(令和8年3月31日までの取得の場合、3年以内)に、その土地に住宅を新築することで軽減措置を受けられます。一度税金を納めた後に還付される仕組みです。
次のいずれか高い方の金額が、土地の税額から減額されます。
(1)45,000円
(2)土地1m2当たりの価格×住宅の床面積の2倍(上限200m2)×3%

 

・固定資産税

固定資産税は毎年1月1日に土地を所有している場合に、土地に課せられる税金です。土地決済では固定資産税の日割り分を売主に渡し、所有後は毎年5月頃に届く納付書に従い納めることになります。
[計算方法]
固定資産の評価額(課税標準額)×標準税率(1.4%)

家づくりにおけるリスクのある土地の特徴

 

土地選びは(当然ながら)その後の家づくりに大きな影響を与えます。リスクのある土地を選んでしまうと、建築費用の増加や災害リスクなど、後々重大な問題を引き起こす可能性があります。次に、注意すべき土地の特徴についてご説明いたします。

 

・消火栓や消火栓標識が設置されている土地

消火活動の際に妨げにならないように、道路交通法により消火栓や消防用防火水槽から半径5m以内の駐車が禁じられています。つまり前面道路に消火栓などがある土地の場合、駐車場の位置やスペースが制限されたり、建物の配置図や間取りにも制約が生じることがあります。消火栓は基本的に移動させることはできないため、購入前に家づくり全体の計画に影響がないか確認しておきましょう。

 

・形のいびつな不整形地

三角形や台形などの形のいびつな不整形地では、正方形や長方形などの形の整った整形地と比べて建築可能な面積が減少するなど建築の自由度が低くなります。土地には毎年固定資産税がかかるためできるだけデッドスペースを無くして土地全体を有効活用したいですよね。建物の坪数や間取り、エクステリアまで含めて希望する家づくりが実現できるかどうか慎重に見極めましょう。特に規格住宅を取り扱う建築会社で家づくりを行う場合はメーカーや工務店の定める規格によって間取りの制約を受けるため、土地の形状に柔軟に対応できず希望する建物面積を確保できないことがあります。

 

・日当たりの悪い土地

高低差があったり隣に高い建物がある土地、建物に囲まれた旗竿地などは日当たりや風通しが悪い場合があります。日の入らない家は湿気が溜まりやすかったり照明や暖房で電気代がかさんだり、太陽光パネルの発電量が低下するなど様々なデメリットがあります。限られた土地の中で効率よく日光を取り込むために、建物の配置や屋根の形状、間取りなど設計段階での工夫が欠かせません。風通しの悪い家も、周囲からの視線を避けつつ効率よく窓を配置して風の通り道を確保する細やかな設計が求められます。また湿気は木造住宅の大敵ですので、検討している建築会社の住宅性能も並行して確認しておきたいポイントです。

住宅会社との打ち合せ

住宅会社と土地探しを行うメリット

 

土地の購入は不動産会社と進められるという方も多いのですが、注文住宅を建てられる場合、土地購入前に建築のプロのアドバイスを受けることは、理想の住まいを建てる上でとても重要です。土地探しにおいて、100%希望に叶う土地に出会うことは難しいと言われています。良い土地ほど売れるまでの期間は短く『あの時契約しておけば良かった』と後悔される声も少なくありませんので、あらかじめ「駅までの距離」や「学校区の範囲内」など自分たちにとって譲れない条件を決めておき、上位の条件を満たす土地に出会った時は前向きに検討していくことをおすすめいたします。

また、要望を全て満たしていない土地であっても、早めに住宅会社と土地情報を共有することで、土地のデメリットを補う設計提案を受けられる可能性があります。特に自由設計の注文住宅会社では、日当たりが悪かったり不整形地など建築の制限を受ける土地であっても柔軟に設計プランをご提案することができるため、一度相談してみる価値があるでしょう。その他にも土地の購入以前に住宅会社へ相談するメリットは大きく、土地と建物を含めた全体の資金計画の提案を受けられるため、『土地に費用をかけすぎてしまい建物へのこだわりを諦めざるを得なかった』という本末転倒な事態を避けることもできます。

 

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庭で遊ぶ親子

今回は土地購入のポイントについてご説明いたしました。理想の家づくりのために土地探しの段階から注意しておくべきポイントが分かりましたでしょうか?お客様だけでは判断の難しい専門的な内容も多くありますが、概要を知っておくだけで立ち止まって考えることができますし、建築のプロにアドバイスや設計提案をもらうことで納得して土地を購入することができます。

花みずき工房では理想の家づくりのために土地探しの段階から全力でサポートしております。自社分譲地をのご紹介はもちろん、グループ会社である県西部最大級の不動産売買仲介会社「株式会社マストレ」と連携しながら、常に最新の土地情報をご紹介できる体制を整えております。タイミングによっては市場に公開される前の情報もございますので、すでに土地探しを進められている方もぜひ一度相談にいらしてください。社内に在籍する一級建築士とともに、地形や日射を読みながら必然性を形にしていく家づくりをご提案いたします。

 

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ハウジングアドバイザー

Chisato Takatsu

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