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家を建てる年収の目安は?年収から考える家づくり計画

注文住宅を無理なく建てるための資金計画

家を建てることは多くの方にとって人生最大の買い物です。そのため、資金計画を立てる際には自分の年収を基準に、長期的な計画を立てることが重要です。しかし、実際に家を建てるためにはどの程度の年収が必要なのでしょうか?また、家づくりには年収以外にどのような要素を考慮する必要があるのでしょうか?本コラムでは、年収を基にした家づくり計画の立て方や注意点について解説させていただきます。

家を建てるために必要な年収はいくら?

家を建てる際に必要な年収は、家の規模や土地の有無、家族構成やライフスタイルなど、様々な要素によって異なってきますが、多くの方は住宅ローンを利用して住宅購入資金を用意されており、その返済額は年収の25%以内に収めることが無理のない借入額とされています。
例えば、年収500万円の方の場合、住宅ローンの年間返済額を125万円(年収の25%)以内に抑えるのが理想的です。これを月々に換算すると約10万円となり、他の生活費と両立しやすい返済額と考えられます。それでは、この月々10万円、年間125万円程の返済額で、どの程度の借入が可能なのでしょうか?もちろん選ばれる住宅ローンの種類や返済期間によっても借入可能額は異なってきますが、この場合の借入可能額はおよそ3,000万円から3,500万円となってきます。新築注文住宅の全国平均価格が3,861万円という事を考えると、年収500万円は家を建てるために必要な年収に少し届かず、さらに土地をお持ちでない方の場合は建物価格に加えて土地の価格も必要となってきますので、借入金額だけで家を建てるのは難しく、自己資金などで補填する必要があります。
ちなみに、国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査報告書によると、注文住宅を建てられた方の全国の平均世帯年収は629万円で、400万~800万の世帯が全体の6割以上を占めています。



家を建てるための費用のコラムはこちら >>

【土地あり】家を建てる費用相場

土地を既に所有されているお客様にとっては、建物そのものの建築費用が家を建てるための主な支出となります。建築費用は、建物の大きさ、構造やデザイン、設備の仕様などによって大きく変動いたしますが、住宅金融支援機構の調べによると、2023年度のフラット35を利用して建てられた注文住宅の全国平均価格は3,861万円となっています。また、地域ごとの価格は下記のとおりです。

全国平均:3,861万
首都圏:4,190万
近畿圏:4,142万
東海圏:3,893万
静岡県:3,827万

静岡県の費用相場は首都圏を1割程度下回っていますが、花みずき工房で実際にお家を建てられたお客様の、昨年の建築費用平均価格も3,815万円でしたので、静岡県で土地をお持ちの方の注文住宅建築費用の相場は3,800万円程度と言えるかと思います。
では3,800万円を、無理なく住宅ローンで借入れるために必要な年収はどの程度になるでしょうか?もちろん住宅ローンの種類や金利、返済期間や返済負担率によっても異なりますが、仮に金利2%、返済期間35年、返済負担率25%で計算した場合は、604万円の年収が必要ということになります。

【土地なし】家を建てる費用相場

土地を所有されていないお客様が家を建てられる場合は、当然ながら建築費用に加えて土地の購入費用も含めた金額が、家を建てるために必要な支出となります。そのため、土地をお持ちの方と比較すると建物価格は比較的小規模に抑えられる傾向にあります。土地の価格は地域によっても大きく異なり、一般的には都市部ほど高額になり、地方へ向かって安価になる傾向がありますが、住宅金融支援機構の調べによると、2023年度のフラット35を利用して建てられた土地付き注文住宅の全国平均価格は4,903万円となっています。また、地域ごとの価格は下記のとおりです。

全国平均:4,903万(建物3,406万+土地1,498万)
首都圏:5,680万(建物3,402万+土地2,277万)
近畿圏:5,265万(建物3,415万+土地1,851万)
東海圏:4,811万(建物3,491万+土地1,319万)
静岡県:4,386万(建物3,300万+土地1,086万)

静岡県の費用相場は4,400万円程度と全国平均を1割ほど下回っており、首都圏と比較すると総予算に占める土地費用の割合が大幅に低いことがわかりますが、土地ありの方と比較すると建物に掛ける費用は500万円程小規模になっています。
では4,400万円を、無理なく住宅ローンで借り入れるために必要な年収はどの程度になるでしょうか?もちろん住宅ローンの種類や金利、返済期間や返済負担率によっても条件は異なりますが、仮に金利2%、返済期間35年、返済負担率25%で計算した場合は、715万円の年収が必要ということになります。

返済期間と年収から計算する借入可能額

住宅ローンを組む際には「金利」と「返済期間」が、借入可能額に大きな影響を与えてきます。金利は政策や選ばれるローンの種類によって異なってきますが、返済期間は30年〜35年を選ばれる方が最も多く一般的です。返済期間を延ばすことで月々の返済額を抑えることができますが、返済期間が長くなると支払う利息の総額も増えるため、バランスを考えてローンを組まれる事が重要となります。次に、金利1.5%〜2.0%、返済期間30年〜40年の場合の、年収別の借入可能額の目安をご紹介いたします。

借入可能額の目安(返済期間30年)
年収400万円の場合:2,200万円〜2,700万円
年収600万円の場合:3,600万円〜4,100万円
年収800万円の場合:4,700万円〜5,400万円

借入可能額の目安(返済期間35年)
年収400万円の場合:2,500万円〜3,000万円
年収600万円の場合:4,000万円〜4,500万円
年収800万円の場合:5,000万円〜6,000万円

借入可能額の目安(返済期間40年)
年収400万円の場合:2,800万円〜3,300万円
年収600万円の場合:4,500万円〜5,000万円
年収800万円の場合:5,500万円〜6,500万円

上記の金額はあくまで目安となりますので、実際の借入可能額に関しては住宅ローンの借入をご検討されている金融機関や、ファイナンシャルプランナー(FP)の方にご相談ください。花みずき工房でも住宅ローンをはじめとする、住宅資金のご相談を受付けていますので、お気軽にご相談ください。


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家を建てるために年収以外で重要な要素

前述のとおり、年収は家を建てるための資金計画において重要な要素となりますが、家づくりにはそれ以外の様々な要素も影響を及ぼしてきます。次に、家づくりにおいて年収以外で重要となり得る4つの要素をご紹介いたします。

貯蓄額
家を建てる際には、頭金や諸費用の支払いのためにまとまったお金が必要となります。一般的には総費用の20%–30%程度の頭金を用意することが望ましいとされています。これにより、住宅ローンの借入額を抑え、月々の返済負担を軽減することができます。また、頭金が少ない場合には高い金利条件が適用される可能性があるため、可能な限り事前に貯蓄を増やすしておくことが重要です。さらに、貯蓄が十分であれば、突然の出費や予想外の事態にも対応できる安心感が得られます。

支出バランス
毎月の生活費や固定費など、支出バランスを総合的に考慮することも重要です。例えば、子供の教育費や車の維持費、保険料などの固定支出が多いご家庭では、住宅ローンの返済額を抑える必要があります。一般的には、住宅ローン返済額は収入の25%以内に収まる範囲が理想的とされています。

年齢
借入時の年齢は住宅ローンの審査において重要な要素の一つです。多くの金融機関では、完済時の年齢が75歳未満であることを条件としています。そのため、若いうちに住宅ローンを組むことで、より長い返済期間を選択できる可能性が高まりますが、高齢になってからローンを組む場合、短い返済期間や高額な返済額を求められることがあるため、慎重な計画が必要です。

将来の収入見込み
キャリアプランや昇給の見込みも家づくりにおいて重要な要素です。将来的に収入が増加する見通しがある場合、多少無理をしてでも理想の家を建てることが可能かもしれません。一方で、収入が減少するリスクがある場合には、慎重な資金計画が求められます。また、共働き家庭の場合、どちらかが退職したり、育児や介護のために働き方を変更する可能性も考慮する必要があります。長期的な収入の安定性を見極めたうえで、無理のない計画を立てることが大切です。

家を建てる前に考慮すべき注意点

ここまで、家を建てるための費用相場や、必要になってくる年収のイメージなどについてご紹介いたしましたが、最後に資金計画において、事前に考慮しておくべき注意点をいくつかご紹介させていただきます。建物や土地の費用だけでなく、下記の事柄にも留意して計画を立てられる事をお勧めいたします。

見落としがちな諸費用
家を建てる際には土地や建物の費用だけでなく、さまざまな諸費用が発生いたします。例えば、ローン手続きに伴う事務手数料や、不動産取得税や登記費用、火災保険料などです。また、新居での家具や家電の購入費用、引っ越し費用なども忘れがちな出費です。さらに建物完成後には固定資産税が毎年課されるため、これらも予算に含めて余裕を持った資金計画を立てることが重要です。

将来的なリフォーム費用
新築時には見えにくい将来的な維持費やリフォーム費用も考慮する必要があります。大きい物では、屋根や外壁のメンテナンス、設備機器の交換費用、内装のリフォームなどが挙げられます。一般的に、築10年から15年程度で外装や設備にメンテナンスが必要になるケースが多いく、家族構成やライフステージの変化によって間取りを変更したり、バリアフリー化を行う場合もございます。

ボーナス返済への依存
住宅ローンの返済計画を立てる際には、ボーナス返済に頼りすぎないことも大切です。ボーナスは景気や会社の業績に左右されやすく、不安定な収入源です。そのため、ボーナスが減少したり、支給されない場合でも対応できるよう、月々の返済だけで無理なく完済できる計画を立てることが理想的です。また、ボーナスを他の出費や貯蓄に回せるようにしておくことで、急な出費にも柔軟に対応できます。

住宅性能とエコ性能への配慮
経済的な暮らしを実現するためには、住宅性能やエコ性能も重要な要素となります。建築費用が多少高くても、優れた断熱・気密性を持つ住宅は、冬場の暖房費や夏場の冷房費を大幅に削減できるほか、室内の温度変化を少なくすることで健康的な住環境を提供します。また、太陽光発電や蓄電池、エコキュートといった設備の導入も、長期的な光熱費の削減に寄与します。さらに、省エネ性能の高い住宅は補助金や税制優遇が受けられる場合があるため、経済的なメリットも得られます。

今回は、家を建てるための資金計画についてご説明させて頂きました。家を建てる際には、年収を基に無理のない資金計画を立てることが大切です。ただし、年収だけに依存するのではなく、土地や建物の費用、返済期間、将来のライフプランなど、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。また、注意点や予算以外の条件も確認し、安心して暮らせる住まいを実現しましょう。しっかりとした計画を立てることで、家づくりはより満足のいくものになるはずです。

ハウジングアドバイザー

Takako Ito

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