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昔からある和の心をつなぐ暮らし

昔の街並みから
「気持ちいい」
「快適な」住まいを考える

日本は、四季が明確で季節風が吹き、梅雨があり…気候の変動が激しく、地域性も多様なので、家を建てるときにも地域に合わせた住まいを考える必要があります。

「京都祇園」「岡山倉敷」「長野白川村」などの街並みをみると、気候・風土・自然になじみ、生活スタイルから生まれた統一された美しさがあります。それは昔からの和風の建築物が、日本の風土に合わせた作りをしていて理にかなっているだけではなく、日本人らしい和の心も大切にしているからです。

「和の心」をつなぐ

 

地域に関係なく、生活スタイルが多様化している今の時代にも和の要素が残っているのは、そこに住む人たちが日本の文化に愛着を持っているからではないかと思います。最近では、規格化された住宅が多くなり地域性のある和の建築物は減ってきましたね。私たちの生活は豊かになり、便利なものが増えましたが、流行り廃りのある商品に囲まれるようにもなりました。

昔ながらの和の住宅には、生活を豊かにするたくさんの工夫があります。今の時代に合わせた形に変えて、和の要素を次世代につないでいきたいですね。

「和」の要素を考える

 

では、住まいを構成する「和」の要素をいくつか紹介します。

例えば現代の住宅は真四角で軒がない家が多いですが、昔からある軒を深くする方法で、夏場の真上からの照り付けるような直射日光を遮り室内の温度上昇を抑制します。反対に太陽の低い冬は横からの暖かな日差しがはいります。

省エネの観点でいうと南側に土間を設置すると、昼間の太陽の熱を土間にためて、夜間室内に放熱してくれます。これは寒さの厳しい冬季を少しでも改善しようとする先人の知恵です。

他にも、用途とは多少違う空間でも続き間や引き戸にすることで空間を大きく感じることができます。さらに縁側を設置することで中と外とのつながりを感じ、生活が少し豊かになります。また、北側の家や畑に配慮して高さの低い建物を建てるのも、自分たちのことだけではなく、周囲に配慮することが住まうことだという気持ちの表れです。そのような和の心は、今の住まいにも和モダンなど形を変えて私たちの暮らしに定着しています。

どんなに便利な時代になっても、人々の心を癒し、豊かにしてくれるのは、こういった「和の要素」を取り入れて、未来につなげていく暮らしなのではないでしょうか?

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Manami Miyamoto

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