家づくりをお考えの方なら、「耐震等級」という言葉を目にしたことがあるかと思います。最近では多くの建築会社が最も耐震性能の高い「耐震等級3」の家を建てるようになりましたが、同じ「耐震等級3」でも計算方法によって強度が異なることをご存知でしょうか?今回は耐震等級について、計算方法を交えながら詳しくご紹介させ頂きます。
実は計算方法で差が出る「耐震等級3」
計算方法で全く異なる、
耐震等級の強度レベル
耐震等級とは、建物の地震に対する耐震性能を示す指標の1つです。長期に渡り良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するために2000年(平成12年)に施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づいた、「住宅性能表示制度」に沿って制定されました。
.
耐震等級はランクが3段階に分かれており、等級1は「数百年に一度、稀に発生する大地震でも倒壊しない程度」の強さ、等級2はその1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の強さとなります。等級が高くなるほど地震保険料の割引率が高くなり、住宅ローンの金利優遇を受けられる等のメリットもあります。
耐震等級を決める際の耐震性を算出する方法には、下記の3つの計算方法がございます。計算方法によってそれぞれ検討される内容が異なり、かかる費用や算出される安全性レベルも異なってきます。
.
.
.
.
.
ちなみに仕様規定の計算資料は2枚程で完了しますが、許容応力度計算の場合は250~300枚にもなるほど細かく計算されます。
前述の通り異なる計算方法のある耐震等級ですが、実は計算方法で実際の強度ランクも全く異なってきてしまいます。
.
.
上の図の通り、同じ「耐震等級3」であっても強度ランクは「性能表示計算」では1.9から2.0なのに対し、「許容応力度計算」では2.4から2.7と大きく異なります。「仕様規定」にはそもそも等級認定はございませんが、「耐震等級3」を検討される場合は、計算方法によって 強度ランクが大きく変わってきますので、どの計算方法で算出されているのか?きちんと確認することが重要です。
.
以上のことから、最も安全性が高いのは「許容応力度計算」で計算された「耐震等級3」ということになります。
更に、許容応力度計算なら吹抜けやスキップフロアなど変則的な空間の耐震性能も精密に計測する事ができるため、より自由度の高いプランを安全性を担保しながら設計することが可能です。
花みずき工房でもお客様の安全を守るため、許容応力度計算を用いた耐震等級3を基本とさせて頂き、長期に渡って安心して暮らして頂ける家づくりを行っています。
今回は耐震等級について、計算方法を交えながら詳しく説明させていただきました。一概に「耐震等級3」と言っても、その算出方法によって強度ランクが変わってきますので、等級と合わせて計算方法もきちんと確認する事が重要です。
耐震等級について更に詳しくお知りになりたい方は、花みずき工房までお気軽にお問い合わせください。
.